本場の味の絶品皿うどんに感激

店前のショーウィンドーには多種多様なメニューサンプルが並んでいます。一見すると昭和レトロな町中華にも見えます。が、入店すると、やっぱりほとんどの人が「ちゃんぽん」か「皿うどん」をオーダーして食べています。
社長のイチオシは前述したとおり、「皿うどん」(880円・ランチ時)なのですが、メニューを指差しながら、こう教えてくれました。
「皿うどんのところに“硬と軟”と書いてあるように、麺が選べるよ。“硬”はいわゆるパリパリの細い硬麺のことで、 “軟”は、ちゃんぽん麺に使われている太い茹で麺を炒めてある。好きなほうを選べるし、両方食べたい人は合盛も頼める。これがイイんだよね」

ちなみに筆者の「皿うどん」のイメージは、リンガーハット。あそこで食べる細くてパリパリの麺が皿うどんだと思いこんでいたのですが、社長によれば、地元・長崎でも、皿うどんは細麺と太麺の店があり、しかも好みも2分されるとのこと。今回はせっかくなので、両方食べられる「皿うどん合盛」をオーダーしてみました。

登場したのは、翡翠色の大皿に麺が見えないほど餡が盛り付けられたド迫力のひと品。見るからに種類豊富な具材。その餡が、とろ~り、ツヤツヤ、テリテリ。具材も色とりどりで、蒲鉾のピンク色が濃くて、いかにも長崎っぽい!
「ここの皿うどんは、とろみ具合が絶妙なんだよ。とくに細麺を食べるとわかるんだけど、食べきるまでパリパリ感がちゃんと残ってる。これはかなり絶妙な餡だと思う」と社長。
社長が絶賛するそのとろとろ餡をかき分けてみると…。

おお、確かに細麺と太麺が相まみえて並んでいます。餡がこんなにかかっていても細麺はパリッパリ。そして太麺はもちっとしており、ややおこげもあります。これはまさに両者のいいとこどり。なお、社長情報では長崎飯店の麺は、長崎から取り寄せている本場の麺だそう。これは絶対ウマいはず!
さっそく食べてみると、餡はほんのり甘みがあって、豚骨&鶏ガラの出汁と魚介エキスがぎゅっと詰まっているのがわかります。キャベツはしゃきっと、玉ねぎは甘く、きくらげや豚肉がプルンプルン。そして、タコやエビ、アサリに…おっと、真ん丸のふっくら牡蠣も発見!
数えてみると具材は全9種類。まさにシーパラダイス! 魚介のオンパレードが楽しすぎます。これらの具材がとろとろ餡にまとめられ、得も言われぬ旨さを醸し出しています。

そんななか、社長が自分の皿うどんにドバドバとその赤いパッケージのソースをかけているのが目に入りました。「そんなにかけて大丈夫か?」と心配になるほどの量です。

そこで、筆者も真似してソースをかけて食べてみると、確かにこれは美味しい。ウスターソースの酸味とスパイシーさが、まろやかな皿うどんの味の “差し味”になって、スッと引き締まる感じなんです。
いつものように酢も少し試してみましたが、どうもぼやけた味になります。正直言って、金蝶ソースのほうがスパイシーさも加わるからか、より合うんです。そして、社長の話していた通り、パリパリの硬麺も汁を吸いすぎてクタクタになることなく、パリッと感を最後まで楽しめました。いやぁ、けっこう大量の皿うどんでしたが、サラッと食べられて、胃もたれすることなくめちゃくちゃヘルシー。

というわけで、長崎県人の社長がおすすめする『長崎飯店』の皿うどんは確かに通いたくなるほど絶品でした。ちなみに、筆者の好みはやっぱり硬麺。今度は硬麺オンリーで食べに行きたいと思います!
(撮影・文◎土原亜子)