ジャージャー麺が約2kg!? 老舗『熊公』(馬喰横山)のデカ盛り麺に挑戦してきた

想像以上に大盛り! 問屋街で働く人の胃袋を支えるデカ盛り「ジャージャー麺」

「極上ジャージャー麺」880円+大盛り150円。左側にあるのはママさん手作りワンタンとチャーシュー
「極上ジャージャー麺」880円+大盛り150円。左側にあるのはママさん手作りワンタンとチャーシュー

 カウンター内にいるママさんと世間話をしつつ、出てきたのは、一般的な大盛りをはるかに超えるボリュームのジャージャー麺。というか、山盛りの具でほぼ麺が見えない。

 早速計測。直径28cmの大皿に高さ約14cm、重さは1929g(器の重さを除く)。約2kg! キュウリの千切りやもやし、コーンなどの野菜たっぷり、そしてチャーシュー3枚、ワンタン3個、ゆで卵。たっぷりの自家製肉味噌も存在感抜群です。

「肉味噌はごま油、生姜、ニンニク、味噌、唐辛子などで作る自家製のものですよ」。とママさん。卓上にはツボが置いてあり、足りなくなったら追加可能。ニンニクやごま油たっぷり、野菜にも麺にも合う、辛味がきいた味わいとのこと。

スマホや卓上にある調味料が小さく見える「極上ジャージャー麺」の大盛り。キュウリともやしが大盤振る舞い!
スマホや卓上にある調味料が小さく見える「極上ジャージャー麺」の大盛り。キュウリともやしが大盤振る舞い!

 計測を終えてまずは一口。麺を引っ張り出すのが大変そうなので、まずはもやし&きゅうりから。肉味噌につけて味わうと、みずみずしい野菜と肉味噌がメリハリのきいた美味しさ。あとから唐辛子の刺激がやってきます。

 野菜をある程度食べ進めたところで麺に肉味噌を絡めて一口。今度は、肉味噌の中のニンニクや生姜の味わいが強く感じられます。麺はストレートの太麺で新栄食品の麺。茹で前で1玉200gが大盛りは3玉半入っているとのこと。となると、おそらく、茹でた後は1kg前後のボリューム? そして、具と肉味噌が約1kg? そう考えると、炭水化物、野菜、タンパク質のバランス、いいかもしれません。

極上の大盛りよりさらに大きい『野菜ジャージャー麺大盛り』!

「野菜ジャージャー麺」880円+大盛り150円。さっきも大きいと思ったけれど、こっちの方が高さがある!
「野菜ジャージャー麺」880円+大盛り150円。さっきも大きいと思ったけれど、こっちの方が高さがある!

 続いて出てきた「野菜ジャージャー麺」の大盛りを見てさらに驚愕。さっきもでかい~と思ったけれど、こっちの方がでかい! 高さがある!

 こちらも計測。お皿は同じ直径28cmの大皿。高さは約16cm、そして重さは2116g(器の重さを除く)。2kg超えた! いや、見てわかる2kg超え! 野菜がたっぷりだから、実際は2kgなんて余裕で超えているように見えます。こんなにボリュームあって、880円+150円の、1030円でいいの? ママさん、大盤振る舞い過ぎでは?

「若い人たちに、野菜をいっぱい食べて欲しいのよ」とニッコリ微笑むママさん。とはいえ、野菜の量がすごい! 愛情たっぷりすぎです!

高さはスマホを超える約16cm。野菜たっぷりでとってもヘルシー! ボリュームはすごいけれど
高さはスマホを超える約16cm。野菜たっぷりでとってもヘルシー! ボリュームはすごいけれど

「野菜ジャージャー麺」、という名前だけあり、とにかく野菜が盛り盛り。もやし、きゅうり、トマト、レタス、キャベツ、コーン、玉ねぎなどが溢れんばかりに盛られ、もはやパーティー? ブッフェ? ママさんの、野菜を食べて欲しいという気持ちが、大皿から溢れんばかりに盛り付けられた約2kgの山。素晴らしすぎます。

 食べても食べても山が平らにならない、そして肉味噌は食べ進めるごとに口の中に辛さが蓄積されていき、中盤になるとかなり口の中がビリビリきます。「時間がかかったらお酢をかけるといいわよ~」とママさん。野菜の重さで圧縮され気味だった麺をほぐす意味でも途中でお酢、オススメです。

 当然、途中で肉味噌が足りなくなり、卓上のツボから追加投入。でも、肉味噌をかけすぎると、さらに口の中のビリビリが強くなることに。この刺激がまたたまらない。そのせいか大盛りなのに飽きずに食べ進められます。野菜が多いから罪悪感ゼロ。大盛りなのに、体にいいことしている気分になります。

シメに出てくる「コーヒーゼリー」。口の中に溜まった辛さがこれで癒される~
シメに出てくる「コーヒーゼリー」。口の中に溜まった辛さがこれで癒される~

 食べきれない場合、希望すれば食べきれなかった分はテイクアウト可能です。むしろ、こんなに山盛りにしてもらったのに、食べ残して去るのはいたたまれない。ママさんの愛情を裏切れません。もちろん、食べ残した分は包んでもらいます。

 そして、食事の後に出てくるのが「コーヒーゼリー」。これが肉味噌効果で痺れた口の中を、さっぱりとリセットしてくれる絶妙なデザート。水では流しきれなかった口に残るビリビリを消してくれます。はち切れそうなくらいお腹いっぱいでもスルッと入る「コーヒーゼリー」。もちろんこの「コーヒーゼリー」もママさんの手作り。肉味噌もワンタンもほとんどの加工品は手作りなので、どこか家庭的な、お母さんの味を感じられます。

カウンターの奥でどんどん具材を盛り付けていくママさん。青い容器の中には自家製の肉味噌が
カウンターの奥でどんどん具材を盛り付けていくママさん。青い容器の中には自家製の肉味噌が

 もやしやきゅうりなど野菜たっぷり、茹でたてのツルツル麺に辛さがじわじわくる肉味噌。そしてチャーミングなママさんとの軽快な会話。どこか懐かしささえも感じるアットホームな雰囲気の『熊公』。今回は大盛り注文で2kgですが、当然普通盛りでも一般的なお店よりボリュームがあるため、初めていく人は普通盛りから頼むのがオススメです。普通盛りじゃちょっと足りない、というときは、おにぎりやおいなりさん1個各60円などを追加注文できます。

 そして、ここにくる常連の大喰いさん情報によると、「ジャージャー麺半カレーセット」(780円)を頼むと、かなりお腹いっぱいになれるとのこと。次回はこっちを調査しに来ねば! 愛情たっぷりママさんのことだから、きっと1kgは余裕で超えるボリュームのような気がします。

 ちなみに、テイクアウトの「お弁当ジャージャー麺」は500円。「お家で作るジャージャー麺」は1人前250円で2人前から購入可能。甘い肉味噌って苦手、という人には、ぜひ『熊公』の肉味噌を一度味わってほしい! 食欲が落ちる暑い日とか、湿気でぐったり、って日でも、ここの肉味噌なら食欲復活、パワーチャージできるはずです。

 JR浅草橋駅からも徒歩圏内。だから、今度は問屋街のお祭りの日とか、都営新宿線でこっち側に来た時にまた食べに来たいなぁ。美味しさはもちろんですが、ママさんの笑顔を見たくて食べにくる、昔からの常連さんも多い気がする。長年にわたって馬喰町で愛され続けている理由が、ちょっとわかった気がしました。

(取材・文◎いしざわりかこ)

●SHOP INFO

熊公外観

店名:熊公

住:東京都中央区日本橋馬喰町2-5-11
TEL:03-3663-8955
営:11:00~14:30、17:00~19:00
休:土曜、日曜、祝日