魚介系だしのパンチが効いた和風からあげの味は?

からあげは「醤油」・「塩だし」・「燻製」の3種類。このうち筆者のイチオシは「塩だし」です。1個60gほどあるジャンボサイズのからあげ、ひと口ガブリといった途端、思わず「うおっ!」という声を上げてしまいました。
ひと噛みしただけで、口いっぱいに魚介系ダシの風味が炸裂するようにガツンと広がるのです。これまでダシ風味のからあげを色々と食べてきましたが、ここまでダシのパンチが強いものは初めて。オーナーの農山盛皓さんによると「アゴなど数種類のだしを使っています」とのこと。魚介系は、強すぎると臭みが出てしまうこともありますが、それはまったくありません。
魚介ダシ、塩味、肉の旨み。それぞれが突出することなく、見事に調和した絶妙なバランスの味わい。ダシだけでなく、塩も数種類をブレンドしているとのことで、豊かで深みのあるからあげに仕上がっています。和のテイストで、ご飯が進むこと間違いなしの味わいです。

そしてこちらのもうひとつのオススメは「燻製」。味付けに燻製醤油を使用しているそうで、これも実に珍しい、他にはない味わいです。燻製特有の風味と香りをまとっており、高級なスモークチキンを食べているよう。これはビールが欲しくなる!

もうひと品の「醤油」は、まろやかな醤油の風味がたまらない、正統派の和風からあげで、これはこれでご飯が欲しくなる味わい。お店ではお弁当やお惣菜も販売しているので、ランチにはもってこいかもしれません。
さすが、いずれのからあげも、美味しさの引き出し方を熟知しているような至極の味わい。お店のスタッフの中には、前述のオーナー農山さんのご実家『坊々樹』で腕を振るった人もいるそうです。美味しいのも納得ですね。未体験の人は、日本料理店仕込みの和風からあげをぜひ味わってみてください。
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。