「塩レモンやきそば」が絶品である理由

最初に食べた「塩レモンやきそば」は、いわゆる細麺タイプで、野菜と豚肉が入っており、シンプルですが、名前のとおり、レモン果汁をたっぷり搾りかけた夏にぴったりの一品。でも、この焼きそばの美味しさはレモン風味だけではありません。もっと奥深い味わいなのです。それは、旨みを決めるスープと塩豚です。

呉さんに聞けば、毎日、豚の背ガラや親鳥1匹と野菜を使ってスープを炊いていて、これが焼きそばの味のベース。さらに塩豚は、塩、山椒、紹興酒などで豚肉を漬け込んでつくる呉さんの自家製。
この2つが焼きそばの味の柱となり、最後にレモンの香りと酸味でキリリと味を締めて爽やかさをプラスしているのです。この焼きそばを食べただけで魅了され、呉さんの料理は何を食べても美味しいはず、と確信したわけです。