アゴだし×椿油で作った上品で強烈な旨みのからあげ

一番人気の「アゴだしから揚げ・プレーン」は、ひと口目から度肝を抜かれます。何しろアゴの旨みの攻撃力がスゴい! 思わず「うおっ!」と声を上げそうになりました。これまでアゴだしからあげは何度も食べてきた筆者ですが、ここまでアゴが強力に口の中を支配するからあげは初めて。もちろん超がつくほどの美味しさです。

鶏肉の味わいも十分で、これとアゴが見事にタッグを組んでいる“ダブル旨み”といったところでしょう。しかもあっさりしているので、アゴの上品ですっきりした旨みがさらに引き立ちます。これは何個でも食べられそう。おかずにすれば、きっとご飯もかなり進みそうです。
甘辛いタレが旨さのトリプルパンチを演出

続いてもうひと品、「九州甘醤油」もいただきました。店員さんによると、プレーンの次に人気のあるからあげなんだそうです。
これはプレーンの持つ“ダブル旨み”に加え、食欲をそそる甘辛い味がプラスされた、いわば“旨さのトリプルパンチ”を繰り出してくるからあげ。とろりとしたタレがシャリッとした食感の衣によく絡み、コク深い鶏肉と混じり合って、まさに美味しさの3段重ね。筆者的には、これが人気1位でもおかしくないんじゃないかな、と思ってしまったほどでした。
「アゴだしから揚げ・プレーン」も「九州甘醤油」も、どちも鶏肉が非常にふっくらとしていたのが印象的でした。驚いたのは、箸でつまみあげると箸が衣にめり込んでいくこと。ここまで柔らかいからあげは滅多にお目にかかれません。トビウオのだしは「顎が落ちるほどに美味しい」ことからアゴと呼ぶらしいのですが、このからあげは顎が落ちるどころか、あまりの美味しさで口角が上がりっぱなし。
余談ですが、かなり昔、筆者は葛西に住んでいたことがあります。当時はもちろん福まん家はありませんでしたが、もしあったら毎日通って引っ越さなかったかもしれません。それほどまでに魅力的なからあげでした。
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。