丼を覆うカツでゴハンが見えない! しかしこれが全てではなかった・・・

待つこと数分、目の前にやってきたのは、上部を全てカツに覆われた丼。ゴハンは完全に塞がれています。
「豚肉はカナダ産のサツマイモ三元豚のロース。甘みがあって美味しいですよ」と店主。塊で仕入れた肉を店でスライスするとのことで、公式には35gの肉6枚ですが、パン粉をつけて揚げている分、ボリュームは2倍になっているそう。
早速計測。丼の直径約16cm、高さは約14cm、重さは1213g(丼の重さを除く)。これに味噌汁296g(器の重さを除く)やキャベツがつくので、トータルで約1.7kgのボリュームです。ちなみに「大盛りセット」の場合、丼だけで1.5kgになるとのこと。となると、セットにしたら2kg前後になるのかも。

早速一口。タレカツなのでそのまま何もつけずに味わいます。揚げたてアツアツ、もちろん外サクサク、中じゅわ~。美味しい~。タレは若干甘さを感じる味わいです。で、一枚とってみてわかった。キムタレのキム、そう、キムチが下にいる!
「とんかつが気持ち甘いので、キムチの辛さが合うんですよ」とニッコリ微笑む店主。ということで、2口目はとんかつとキムチを一緒に。合う! 確かに甘さと辛さとほんのり酸味が絶妙なバランス。これはゴハンが進む!

カツを味わったところで、今度はキャベツを一口。卓上にはソースのほか、青じそドレッシングも置いてあるので、サラダ感覚で味わうことも可能です。
そして味噌汁も一口。これが、カツと同じくハイレベルの美味しさ! 里芋や大根など具がゴロゴロ、ダシもしっかりきいた優しい味わいで、あ~なんか癒される。この味噌汁とゴハンとお新香で朝ごはんにしたいぐらい。あと、寒い雪が降った日とかに食べたら、体の中から温まりそう。
「味噌汁は豚汁ですね。+100円でダブル豚汁にできるんですよ。定食にして、豚汁をダブルにするお客さんも多いですね」。たしかに、これはお代わりしたくなる。カツでどんぶり一杯、豚汁でゴハン1杯いける。

ところで、なんでWサイズを出すようになったんですか?「大盛りを頼む人が多かったからね。NECの人の中にはね、田町の本社に勤めている人がこっちにきた時に、安くて美味しいって喜んでくれるんだよ」とニッコリ。田町のランチと向河原のランチ。…確かにランチ相場もボリュームも全然違うかも。
ちなみに、食べる際には取り皿も出してもらえるので、カツやキムチを移動すれば、最初からゴハンと一緒に味わうことも可能です。

そして、食べ進めること約半分。ゴハンの中から、あっ! カツが出てきたっ!
「上に4枚、中に2枚入れているんですよ」。そうだったんだ! カツの枚数、数えていなかったけれど、上全面を覆っていたから、これが全部だと思っていました! 途中でゴハンだけになるのを防止してくれる、中からのカツ! なんだかわからないけれど、得した気持ちになります。
上から、カツ、キムチ、ゴハン、カツ、ゴハンの5層。そして名脇役の豚汁。ずーっと美味しいが続く、夢のようなどんぶり。これはハマる。南武線に乗ったら、目的地別でも途中下車してこれを食べたい。向河原、地元民とNECの人しか使わない駅だと思っていたが、この丼のために降りてもいいっ!

ちなみに卓上にあるソースも、甘みの効いたゴマペーストや炒りごまなどをブレンドした店オリジナル。そして、夜限定メニュー、店イチオシの山形豚は、「塩と味噌ダレで食べてね」とのことです。
丼のみで1213g、おそらくトータル約1.7kgのセットは、飽きることなく最後の一口まで美味しいまま完食。次回は豚汁もダブルにすることはもはや決定事項。「早くコロナが終わって欲しいね~。話ながら食べられる世の中になって欲しいよ」と話す店主。今はちょっと難しいですが、収束した暁には、店主と会話を楽しみながら味わいたいと思える、アットホームな雰囲気のお店でした!
(取材・文◎石澤理香子)