圧巻の巨大からあげの味わいは?

こちらのももからあげ、とにかくサイズがデカい。1個80gほどもあるそうです。近年、ジャンボサイズのからあげがトレンドになりつつあり、50~60gほどのからあげが増えていますが、ここまで大きいものはそうそうお目にかかれません。
片栗粉のみの衣はシャリッとした食感です。奥歯の上でじわじわすり潰されていく感覚がいい。味付けにはニンニクもショウガも不使用とのこと。しょうゆと塩などでシンプルに味付けされているため、肉そのものの味を満喫するにはもってこいのからあげです。

これだけ大きいと、さすがにひと口で食べるのは不可能。噛み切って断面を見ると肉汁があふれ出てきます。それが清らかな湧き水のように、ちろちろと流れているではありませんか。これを見ただけでからあげ好きはテンションが上がるはず。しかも揚げたてなので湯気がもうもうと立ち上ります。これはもう、温泉の源泉にでも遭遇したかのような気分。
肉のうま味も強烈で、思わずごはんが進みます。砂肝は弾力のあるコリコリ食感がたまりません。かすかに甘みも感じられ、飲み込む寸前にうま味が炸裂する印象。これはビールのおつまみにいけそうです。

素材の味を引き出すため、味付けをシンプルにしているこちらのからあげ。「素材本来の美味しさ一本で行きたいと思っています」と店主の神好さん。侍のような気高い精神を感じさせてくれるからあげです。しかしこのジャンボからあげ、3個も食べるとさすがにお腹いっぱいですね。鶏スープも鶏のうま味がよく出ていて美味しい。ランチでまた来てみたいと思います。
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。