中心となる味を決めて積み上げる
さて、セレクトの理由を原さんに聞いてみた。
「まず、ハンバーガーというのは牛ひき肉をパンに挟むもの。なので、僕が選ぶパティはビーフ以外にありません」ときっぱり。
では、パティの量を8OZ(227g)にした理由は?
「日本人にはあまり馴染みのないパティの量で、美味しい組み合わせを作ってみる、ということを試してみたくなったからです。227gもあると、美味しく焼くのに技術がいると思うので、焼き加減はかなり気になります。以前アメリカ人シェフがレシピを決めているレストランで、推定227gのバーガーを食べました。超レアのパティ、どっさりの生タマネギで食べるスタイルだったのですが、残念ながら美味しく感じられませんでした」
バンズは、今、バーガー界の流行のブリオッシュをセレクト。
「今回のバーガーの味の決め手は、実はピメントチーズなんです。アメリカ南部でよく食べられています。ピメントは別名:チェリーペッパーとも呼ばれ、辛味や苦味のない赤いペッパー。これをチェダーチーズに混ぜたものがピメントチーズです。
ダイナミックに肉とチーズを味わうために、ソースやトッピングはシンプルなものにしました。なんとなくビールに合いそうでしょ?」

8ozのパティにたっぷりのピメントチーズを合わせたダイナミックなチーズバーガーが完成。原さんはこのバーガーに「南部風ビッグチーズバーガー」と命名。
ちなみにサイドメニューは、スイートポテトフライ。アメリカの人気バーガー店で定番になってきているが、日本で食べられるのは「THE COUNTER」と「UMAI BURGER」だけ、との情報を仕入れていた原さん。
「実はうちの店でも試作をしていたんです。アメリカのバーガー使われている安納芋の一種・アメリカにんじん芋を取り寄せて作ってみたんですが、美味しいけどコストがかかりすぎて、今、素材から摸索中なんです。だから参考にしようと思って」
次に、筆者のために組み立ててくれたバーガーのセレクト理由を聞いてみる。
「アーティチョークを選ばれたので、これは全体をイタリアンテイストにしようと思いました。チーズはハーブ入りの山羊(ゴート)のチーズ、バルサミコのソース、トッピングにオリーブを追加しています。どれもクセの強いものばかりですが、これらの素材の酸味が、ジューシーな肉とどんなふうに合うのか楽しみで。白ワインが合いそうですね」

アーティチョークやオリーブ、山羊のチーズで、イタリアンテイストのバーガーが完成!