東京センベロ巡礼! 広島お好み焼きをアテにバリキングで酔える高円寺『立呑み 千吉良屋』

東京センベロ巡礼! 広島お好み焼きをアテにバリキングで酔える高円寺『立呑み 千吉良屋』
食楽web

 北海道のジンギスカンから沖縄の琉球料理まで、いろんなご当地フードと共にお酒が飲めるのが高円寺。住宅街なのに飲食店が多く、そのほとんどが地元民向けのリーズナブル価格。ということで、センベロ飲み歩きが楽しい街でもあります。

 そんな高円寺で、本格的広島のお好み焼きが、1/4サイズから注文できる立ち飲み屋があると聞き、向かったのは『立呑み 千吉良屋』。たこ焼きで立ち飲みの店はポツポツあるけれど、お好み焼きで立ち飲みってなかなか見ないような。お好み焼きっていったら、座敷席で鉄板がテーブルの真ん中にあって、というイメージしかない。果たしてどんな店なのか、ワクワクしながら向かいます。

左から時計回りに、「千吉良屋もち」220円、「広島 お好み焼き」1/4枚180円。「秩父名物しゃくし菜漬け」150円、「バリキング」250円、「煮穴子」200円。おつまみなんと4種も!
左から時計回りに、「千吉良屋もち」220円、「広島 お好み焼き」1/4枚180円。「秩父名物しゃくし菜漬け」150円、「バリキング」250円、「煮穴子」200円。おつまみなんと4種も!

 一歩店に入ると、奥行きのある細長い店内。奥まで続くカウンターは細長い鉄板部分と机の部分が。「お好み焼きができたら目の前の鉄板に出して、そのまま食べてください」と話すオーナー。なるほど。お皿じゃなくて鉄板からそのまま。アツアツが食べられるんですね。

「お好み焼きですが、今から作るので20~30分かかるけどいいですか?」。そうなんです。お好み焼き、といた粉を鉄板に広げて、ザク切りキャベツを乗せて、麺を茹でて……などなど、完成するまでの工程がいろいろあって時間がかかるんです。

 なので、すでに店にいる誰かが注文していれば、すぐに食べられるのですが、自分が最初だった場合、食べるまで20~30分は必要。その間に、さっと食べられるツマミを楽しみつつ、完成を待ちます。

「バリキング」250円。「生ビール」は410円、「チューハイ」は250円~、「千吉良屋チューハイ」は290円
「バリキング」250円。「生ビール」は410円、「チューハイ」は250円~、「千吉良屋チューハイ」は290円

 まずは下町の酒、「バリキング」を。といっても高円寺は下町じゃないけれど。「バリキング」は、いわゆる炭酸系アルコールドリンク。ショウガなど植物エキス配合で、さっぱりした味わいです。お酒はビール、チューハイ、芋焼酎、ホッピー、日本酒などが注文できます。

「しゃくし菜漬け」150円。注文したらすぐに出てくるスピードメニュー
「しゃくし菜漬け」150円。注文したらすぐに出てくるスピードメニュー

 最初に出てきたのはしゃくし菜漬け。埼玉県秩父名物のお漬物です。でもなんで?「秩父産の本物のしゃくし菜漬けですよ。友達が持ってきてくれるんですよ」。おぉ~秩父直送。シャキシャキです。「人気メニューのひとつですね。とりあえず酒としゃくし菜漬け、という人も多いです」とのこと。なるほど。まずは速攻で出てくるおつまみと酒で一杯目。

「煮穴子」200円。山椒とワサビをちょっとつけて。甘辛味がバリキングに合う!
「煮穴子」200円。山椒とワサビをちょっとつけて。甘辛味がバリキングに合う!

 次に出てきたのは「煮穴子」。島根県産の穴子は、甘辛味でやわらかふっくら。出す直前にバーナーで炙ったところが香ばしい! チビチビ食べてもよし、思いっきりほおばってもよし。旨味がしっかりしていて、これ、ゴハンに乗せてもおいしいヤツだよな~。山椒とワサビをちょっとだけつけることで、酒の肴感がグッとアップします。

「千吉良屋もち」220円。揚げもちにしそ&塩辛。ドストレートにうまいっ!
「千吉良屋もち」220円。揚げもちにしそ&塩辛。ドストレートにうまいっ!

 そして店名がついた「千吉良屋もち」。もちろんオーナーのオリジナルメニュー。揚げたモチの上にシソとたっぷりの塩辛。これがまたウマイ! 揚げもちのカリッとした外側と伸びる内側、そこに塩辛のしょっぱさと旨味、シソで爽やかな後味。揚げたもちに塩辛がこんなに合うなんて! これ、センベロ縛りがなかったら、6個でも8個でも食べたくなる、クセになるおいしさ。シンプルなのにおいしい。塩辛と揚げもち、ここまで相性がいいことに衝撃です。

「広島 お好み焼き」1/4枚180円。1/2枚は350円。一辺は14cmと16cm。普通のお好み焼きの2倍ほどの大きさ
「広島 お好み焼き」1/4枚180円。1/2枚は350円。一辺は14cmと16cm。普通のお好み焼きの2倍ほどの大きさ

 そしていよいよ、店の看板メニューのお好み焼きが登場! 昆布や椎茸、煮干し、鰹節などなど、多種類のダシ入り、化学調味料を使わずに作る、オーナーこだわりのお好み焼きです。オーナーは広島出身、なのでお好み焼きへの愛とこだわりにハンパなし!

 中身は豚肉、たっぷりのキャベツ、麺、モヤシ、天かす、卵など。待ちにまった瞬間です。さっそくアツアツを一口! と食べたら、本当にアツい。出来たて、鉄板の上に出してくれるんだから、熱くて当たり前。「バリキング」で口の中を冷やして再度一口。調理前は山盛りだったキャベツが甘みとシャキシャキを残してギュッと集合。生麺ならではのモチモチ、豚肉の旨味などが一体化しています。

 これは待ったかいがあるおいしさ。広島の人ってみんなこんなにおいしく作れるの?「いや、広島ではお好み焼きは外食ですよ。家で作るんじゃなくて。でも子供の頃から、あそこの店はおいしいとかまずいとか、こだわりはしっかり持ってますね」。それだけ生活の中にお好み焼きが根付いているんですね。

「マカロニサラダ」180円。マヨネーズじゃない、さっぱり味のサラダ
「マカロニサラダ」180円。マヨネーズじゃない、さっぱり味のサラダ

 今回のセンベロからは外れたけれど、「マカロニサラダ」も実は人気メニュー。しかも味付けはマヨネーズではなく、塩胡椒にゴマ油などさっぱり系。こちらもしゃくし菜同様、待つのが嫌な人に人気のスピードメニューだそうです。

「バリキング」につまみ4品でジャスト1,000円。ボリュームもバリエーションもあって大満足!
「バリキング」につまみ4品でジャスト1,000円。ボリュームもバリエーションもあって大満足!

 立ち飲みスペースは、だいたい店内10人、外4人ほど。なので1~2人で行くのがおすすめです。来ている人を見てみると、常連同士で会話を楽しむ人もいれば、テレビを見てる人、スマホをいじっている人など様々。皆さん好きなように過ごしている、といった感じです。

オーナーの小島(おじま)さん。『千吉良屋』の屋号の由来は奥様の旧姓から。「縁起がいい名前でしょ?」
オーナーの小島(おじま)さん。『千吉良屋』の屋号の由来は奥様の旧姓から。「縁起がいい名前でしょ?」

 ちなみにお好み焼きのテイクアウトはやってません。21時ごろが一番混雑するので、15時半から18時ごろの早い時間だとゆっくり過ごせるとのことです。
 今日のオススメメニューは毎日変わって、しかも安い。毎日来ても飽きないのも魅力のひとつです。

「広島 お好み焼き」ができるのを待ちつつ、つまみや酒、他のお客さんとの会話を楽しめる店、『千吉良屋』。お好み焼きは食べたいけれど、それだけでお腹いっぱいになるのはなぁ、というときに、1/4サイズが頼めるのはうれしいところです。次回はメニューで見て気になった、「カレーうずら玉子煮込み」130円や、「うまたれキャベツ」130円も頼もうかなぁ。つまみのほとんどが150~200円台、ドリンクもほとんどが250~290円なので、いろんなセンベロが楽しめそうです。いつか常連になりたい! と思えるお店でした。

(撮影◎小嶋裕 取材・文◎石澤理香子)

●SHOP INFO

立呑み 千吉良屋 外観

店名:立呑み 千吉良屋

住:東京都杉並区高円寺南4-25-2 曽根ビル 1F
TEL:電話非公開
営:15:30~翌1:00、土曜15:00~翌1:00、日曜15:00~23:00(LO各30分前)
休:月曜、祝日(2019年GWはカレンダー通り)