東京センベロ巡礼! 立ち飲み居酒屋『ドラム缶』の「下町グラタン」が安くて旨すぎる

東京センベロ巡礼! 立ち飲み居酒屋『ドラム缶』の「下町グラタン」が安くて旨すぎる
食楽web

 センベロの聖地のひとつ、JR神田駅前エリア。ガード下を中心に、昭和の雰囲気そのままの雰囲気の店からおしゃれバルまで、様々な店が並んでいます。

 その中でも、激安でサクッと立ち飲みが楽しめる店があると聞き、向かったのは、路地を少し入ったところにあるビルの4階。店の中に一歩入ると、店名に思わず納得の、ドラム缶が10個以上! これをテーブル代わりに酒とつまみを楽しむ、立ち飲みの店でした。

水色のドラム缶が、ほどよい距離感で並べられた店内。壁にはメニューの札がぎっしり
水色のドラム缶が、ほどよい距離感で並べられた店内。壁にはメニューの札がぎっしり

 ドラム缶があるせいか、ちょっと倉庫っぽい雰囲気に感じる店内。壁は大小手書きのメニューが書かれた札で埋め尽くされています。よ~く見てみると、料理は100円~、最も高い値段でも400円、サワーは200円からでしかも税込み! 神田駅前とはいえ、千代田区でこの安さはすご過ぎです。なぜここまで安い?

「それはね、うちの店はセルフサービス、そして企業努力!」と笑顔で話すオーナーの郭(カク)さん。料理やお酒ができたらカウンターに取りに行き支払い、そして食べ終わったら自分で皿やジョッキをカウンターに下げるスタイルで人件費を抑える分、価格に反映しているとのこと。なるほど!

 おすすめを聞くと「まずは名物のガリチューハイ! つまみは下町グラタンと、カレールーにコロッケ、厚揚げのAカップね」とのこと。「ガリチューハイ」が250円、「下町グラタン」が250円、「カレールー」が100円、「コロッケ」も100円、「厚揚げ」が150円だから、この時点でトータル850円。あと150円分頼める! すごいっ。

「ガリチューハイ」250円から時計回りに、「カレールー」100円、「コロッケ」100円、「下町グラタン」250円、「厚揚げ」150円、「枝豆」100円。トータル950円
「ガリチューハイ」250円から時計回りに、「カレールー」100円、「コロッケ」100円、「下町グラタン」250円、「厚揚げ」150円、「枝豆」100円。トータル950円

 最後の150円を何にするか。そういえばさっぱり系、野菜系がないな~、ということで、「枝豆」100円を追加注文。センベロでまさかの栄養バランスを考えちゃうなんて。お酒1杯に頼むつまみの量じゃない? もはや食事状態です。

「ガリチューハイ」250円。いわゆる寿司屋のガリがたっぷり。桜の花びらみたいできれい
「ガリチューハイ」250円。いわゆる寿司屋のガリがたっぷり。桜の花びらみたいできれい

 料理ができるとカウンターに呼ばれて1品ずつお支払い。ということで、最初はガリチューハイ。壁に貼ってあるポスターに誇大広告なし。本当~にガリがたっぷり入ったチューハイは甘酸っぱい味。中のガリは食べても食べなくてもオッケーですが、後味は酸っぱさより甘さが残る感じです。

「下町グラタン」250円。どうして下町?「食べればわかるよ~」(カクさん)
「下町グラタン」250円。どうして下町?「食べればわかるよ~」(カクさん)

 続いて出てきたのは「下町グラタン」。なぜ下町なの? と思いつつ一口。いわゆるポテトマカロニサラダに溶けるチーズをのせて炙った感じのグラタンです。ポテトマカロニサラダっぽいから下町なのかなぁ。謎はイマイチ解明せず。でもおいしい! 懐かしい、どこか洋食っぽい一品です。

「カレールー」100円、「コロッケ」100円。別々に食べても、かけて食べても
「カレールー」100円、「コロッケ」100円。別々に食べても、かけて食べても

 さらに「コロッケ」と「カレールー」ができたのでカウンターへ。これで200円! 良心的すぎる価格です。コロッケは王道のポテトコロッケ。あ、「下町グラタン」と“ポテト”かぶりしてしまった。でも、「カレールー」をかけて味わうと、スパイスの香りとおいしさに、甘い「ガリチューハイ」がすすみます。

「枝豆」100円。もはや説明不要。こんなにお腹いっぱいになるセンベロ、かつてあっただろうか?
「枝豆」100円。もはや説明不要。こんなにお腹いっぱいになるセンベロ、かつてあっただろうか?

 カレーのお口直しに枝豆を。ということで、「ガリチューハイ」の甘い味わいに、グラタン、カレー、枝豆、と楽しみつつ、最後の「厚揚げ」ができあがるのを待ちます。ここまででつまみと酒のバランスが、酒ひと口に料理3口と贅沢なことになっているのに、まだ完成を待つ、つまみがあるなんて。なんかお祭り状態です。

「厚揚げAカップ」150円。コロコロ厚揚げ6個入り。生姜をのせ、醤油をかけて
「厚揚げAカップ」150円。コロコロ厚揚げ6個入り。生姜をのせ、醤油をかけて

 最後に出てきたのが「厚揚げAカップ」。そもそもAカップって? 「厚揚げの数なんですよ~、Aカップは6個、Cカップは12個、Gカップは24個。ウチはメニューも説明もダジャレが多いのよ~」と笑顔で話すカクさん。言われて見直してみると、メニューの横にある説明、ちっとも説明になってない! ハワイが好きなら日本酒ってなに? チューハイの東京湾って、なんで東京湾!? などなど、ツッコミどころ満載なキャッチコピーとメニューだらけ。なんだかフリーダムな感じがします。

ドラム缶の上にあるザルにお金を入れてお支払い。割り勘のときにいいシステムかも
ドラム缶の上にあるザルにお金を入れてお支払い。割り勘のときにいいシステムかも

 周囲にいるお客さんを見てみると、「ホッピー」300円を頼んでまずは1杯目、お代わりの「中」100円を追加し、カレールー100円をつまみにして、サッと帰っていく常連らしき姿が。えっと……トータル500円! まさかのセンベロ超え、ワンコインで2杯飲んで帰っていく姿が。通い慣れている感、ハンパない!
「ウチの店には、“元祖半ベロ”って言葉もあるのよ~。ワンコインでベロベロって意味♪」とカクさん。
 500円なら月~金の仕事帰りに毎日通えちゃう気がします。すごいぞドラム缶!18時台から混み始めるのにも納得です。

 ゆっくりする時間はないけれど、ちょっと一杯ひっかけたい、またはワイワイ仲間同士でハシゴ酒したい、というときの1件目にピッタリなドラム缶。狭い店内が多い立ち飲み店ですが、ここは50~60人が入れます。また、立ち飲みだからこそ、初めて会った人との会話だって楽しめるし、駅から徒歩1分圏内なのも魅力的。次回は、謎の「ポン酢サワー」200円で半ベロに挑戦しよう! と心に誓ったのでした。

(取材・文◎石澤理香子)

●SHOP INFO

店名:立ち飲み居酒屋 ドラム缶 神田店

住:東京都千代田区鍛冶町2-7-3 国際ビル4F
TEL:03-3526-2452
営:17:00~24:00、土曜・祝日~23:00(LO各30分前)
休:日曜