首都圏に限らず、地方にも各地にテイクアウト専門のからあげ屋さんがたくさんあります。からあげはみんな大好きな上、イートインスペースを必要としないため、わずかなスペースで出店できることから、空き店舗対策にもなっているところも。からあげが社会に貢献(?)しているようで、カラアゲニストの筆者も嬉しいところです。
街を歩いていると「お! ここにもからあげ屋さんが!」と新しいお店を発見するのは筆者にとっては日常茶飯事。今回ご紹介する『京風からあげ 蒼Counter』もそのひとつ。場所は、西武新宿線・野方駅から徒歩2分ほど。“京風”とはいかなるものなのか気になったのと、店員さんの元気な声にひかれて思わず購入。食べてみたらこれがバリうま! 反射的に取材を申し込んでしまいました。
まずいただいたのは「京風生姜醤油からあげ」(100g・320円)。コロンとしたかわいい形状です。さっそくガブリといってビックリ!いきなり肉汁が流れ出します。普通は歯が衣を突き破って肉に圧をかけたときに出てくるのですが、このからあげは違います。衣に歯を立てただけでジワリと出てきます。なんという不意打ち! しかも肉がやわらかいこと…。そのまま口に放り込めば舌の上でとろけるのではと思ってしまうほど。シャリ! のあとにジュワ! ときてトロン! とくる3段階食感です。
そして「京都一味唐辛子からあげ」(100g・340円)は、肉に一味唐辛子で味付けをしているとのこと。さぞかし刺激的な味かと想像していましたが、意外や意外。ビリッとくる辛さはなく、一味唐辛子のかすかな辛さがジワッと口いっぱいに広がってくる印象です。これはハイボールなどと合わせてみたくなります。
さてこちらのお店のからあげ、なんでもオーナーが京都の料亭と共同で開発したのだとか。それで“京風”なんですね。醤油ダレの開発に時間をかけ、季節によって人の味覚も変化することを考慮しながら味を探究してきたのだそう。オープンから1年ほどですが、お弁当の販売もおこなっており、地域になくてはならないお店になりそうです。
●SHOP INFO
店名:京風からあげ 蒼Counter
住:東京都中野区野方5-30-9 かどやビル1F
TEL:03-3223-1139
営:11:00~21:00
休:無休
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。