
11月13日に一般公開が始まった豊洲市場。新鮮な海の幸を求めて、多くの観光客や見学者が市場内の飲食店に行列を作っています。
……が、並ばなくたって、新鮮な魚介類が気軽に味わえる“市場グルメ”があるとの情報が!
向かったのは千住大橋の駅から徒歩5分ほどの場所にある「足立市場」。都内唯一の“水産物専門”の中央卸売市場で、都内城北地区や千葉北部、埼玉南部などへ水産物を供給している市場です。海のない足立区に魚の市場! しかも水産物専門! 期待は高まるばかりです。

足立市場の入口からすぐの場所に飲食店が並ぶ建物があり、その一角にあるのが『とくだ屋』。一番人気の「特盛ごうか海鮮丼」を早速注文!

待つこと数分、でてきた丼は、エビの頭がピン! と立った、ごはんが見えない海鮮丼。この日の魚介類は、ネギトロ、バチマグロの赤身、タコ、カンパチ、イクラ、ウニ、カニの爪、シャコ、キビナゴ、シラウオ、トコブシ、アマエビ、フグ皮、などなど、その名の通り豪華な13種類! プラス、玉子焼きとガリも乗っています。

「何を乗せるかは、その日の朝の仕入れによって変わります。だからメニューは毎日手書きなんですよ」と店主。
よ~く見ると、定食メニューは“焼き魚&刺身”や、“煮魚&刺身”、など、メインの魚メニューが2種類セットになっているパターンが多い!
「せっかく市場に来たら、いろんな魚が食べたいでしょ。だから「煮魚定食」「焼き魚定食」など1種類ではなくて、2種類組み合わせているんですよ」。
なるほど。市場に食べに来る人の気持ちをわかっています。当然ボリュームもしっかりとあります。「メガ盛りとまでは言えないけれどね。男性がお腹いっぱいになる量はありますよ」。

直径約15cmのサイズの丼は、通常サイズに感じますが、いざ持ってみると、片手にずっしりと重量感が。器の上にビヨーンと伸びているほどの魚介が乗っているせいでしょうか。うれしい手応え? 期待が膨らむ重さです。

いざスケールに乗せて測ると、重さは675g。お茶碗一杯の重さが大体180~200gなので、単純な比較だと全体でお茶碗3~4杯分。ちなみに、普通盛りの場合ごはんは約280g、大盛りの場合は380gをよそっているそうです。

まずは特製のだししょうゆをまわしかけて。さぁ、どこから箸を入れようかな~。ウキウキしつつ悩みます。いざ手前からめくってみると、エビやウニ、カニの爪などを支える山の中央にドーンとネギトロが! お前ここにいたのか~、しかも大きい塊! ネギトロに、縁の下の力持ち的な感動を覚えます。

さらに、朝仕入れたばかりだから? イクラのプチップチ感がすごい! 一粒一粒が主張してきます。なので、箸で食べようとすると、口に持って行く前にイクラが脱走する! レンゲですくうか、器に直接口をつけてかっこむかしないと、イクラをうまく口まで運べません。イクラだけじゃない、切り身もウニも、もぉ乗っているものすべて! 新鮮かつおいしすぎる感動に次々と襲われます。唯一の煮物、トコブシも旨みがジュワ~。幸せすぎる丼です。

海鮮丼のほかにも、これからの季節は、カキ鍋など体の温まる鍋定食などが登場予定。仕入れ次第では、イクラがどっさり乗ったイクラ丼や、30cmサイズのアジ1匹丸ごとの定食なども出てくる可能性大とのことです。
平日で平均30杯、週末などは70~80杯も注文が入る大人気の丼。店主が仲買人の権利を持っているため、安く新鮮な素材が仕入れられるからこそ、1,500円の値段に。これ、もっと都心で食べたら2,000円は余裕で超える品数とクオリティです。
市場なので、営業時間は午後15時まで。ランチで元気をつけたい、うまい魚介類を気軽に味わいたい、というときには、千住の市場グルメを。いいもの食べた~。とうれしい気持ちになること確実です。
(取材・文◎石澤理香子)
●SHOP INFO

店名:とくだ屋
住:東京都足立区千住橋戸町50 足立市場内
TEL:03-3879-2805
営:8:00~15:00(LO14:50)
休:日・祝日、市場休市日(不定休水曜)
※2018年12/31~2019年1/4は休み