ネタが20種類以上の“富士山”盛り! 女性が夢中になる『江戸富士』の「バラ海鮮丼」に初挑戦してきた

ネタが20種類以上の“富士山”盛り! 女性が夢中になる『江戸富士』の「バラ海鮮丼」が頂点を極めている理由とは?
食楽web

「富士山のような海鮮丼で行列している店がある」と聞き、やってきたのはJR御茶ノ水駅から徒歩6分ほどの場所にある鮨屋『江戸富士』。その日は危険な猛暑日、しかも正午前。今日ぐらいは並んでいないだろうとタカを括っていたのですが、すでに7~8人の先着がいました。

 デカ盛りの最高峰の「富士山」を期待している人々というのは熱中症などとは無縁なのでしょうか。しかもその行列は不思議なことに大食い男子よりも圧倒的に女性が多かったのです。

 入口の貼り紙に、本日限定昼サービスメニュー「バラ海鮮どん」(1,000円)、「上バラ海鮮どん」(1,500円)と書いてあり、並びながらメニューを選ぶのですが、“富士山のような”がどちらのメニューなのかがわかりません。

 20分待ち程度で入店すると、店内は男性女性問わず、“おひとりサマ”が多いようで、テーブルも全部、相席状態です。

 先着の皆さんの前には海鮮丼が次々と運ばれていきます。どちらのメニューか定かではないものの、すべて、噂通り、富士山のごとく高い山のようなビジュアル。その山を構成するのは一口大にカットされた色とりどりのお刺身で、キラキラ、ツヤツヤと新鮮な光線を放っています。見ているだけでもテンションが上がってきますが、不思議なことに、みなさん「きゃー」でもなく「ひゃー」でもなく、淡々と皿を眺め、黙々と食べているんです。

 筆者は結局、値段が高いほうの「上バラ海鮮どん」を注文。オプションで「うなぎ串」(1本300円)や「国産バフンウニ」(400円)を載せることができるというので、誰よりも高く積み上げたい欲望に駆られ、“ウニ載せ”をお願いしてみました。着丼したのがこちら。

正面がこちら
正面がこちら

 目の前にすると、まさに大パノラマの絶景です! パラリとかかった頂上の海苔から360度の見晴らしは、降りかかったネタ、ネタ、ネタの山。全景を見ようと、平たい皿を回転させようものなら、すぐに雪崩が起きそうです。

 ところで、一般的な海鮮丼のネタは何種類でしょうか? 他店ですが「メガ盛り海鮮丼」を食べた友人はたしか10~14種類だったと言っていたことを思い出し、こちらは何種類なのか、食べながら数えていくことにしました。

別の角度から撮ると、ネタの種類がまったく違います
別の角度から撮ると、ネタの種類がまったく違います

 ウニを筆頭に、キビナゴ、ネギトロ、マグロ、エビ、サーモン、イカ、イクラ。続いて、ホタテ、生シラス、ブリ、タコ、トビコ、ハマチ、ハモ。ここまでですでに14種類。まだまだあります。鯛、卵、数の子、シメサバ、カンパチ、ネギトロ、クジラ、魚の佃煮。22種類です。いや、正確にはもっとかもしれません。

 なにしろ、気づくとネタをダブルカウントしたり、カウントミスしたりして、結局、よくわからなくなるんです。でも、ざっくり言うと、思いつく鮨ネタのほとんどのモノが入っていて、それが繰り返し出てくるので、つまり、これまで食べた海鮮丼の中で頂点を極めるネタの多さであることは間違いありません。

構造的に整理すると、皿の一番下には酢飯。その中央にどっさりとネギトロが載って、さらにその上に20種類以上の分厚くカットされたネタが、バラバラになって載っている
構造的に整理すると、皿の一番下には酢飯。その中央にどっさりとネギトロが載って、さらにその上に20種類以上の分厚くカットされたネタが、バラバラになって載っている

 また、1つ1つのネタの新鮮さが秀逸。どれも漁師飯のように気前よくカットされていて、プリップリの食感というのは一緒ですが、味に彩りがあり、凹凸があり、大小がある。「あ、いまタコね」「今度はエビよ」「いまもうブリ」と、とにかく忙しい。その中で、明らかにこの丼のクオリティを底上げしているのが、山の中腹あたりにいる生シラスです。

新鮮な生シラスが途中で出てきて感激します
新鮮な生シラスが途中で出てきて感激します

 港近くで食べるような超新鮮な生シラスがドドーンと入っていて、シラスの濃くて奥行きのある味が広がると、うっとりします。 しかし、すぐさま、生シラスからネギトロへ、口中が侵略されるのです。ああ、忙し。

 というわけで、『江戸富士』のお客さんが黙々と食べている理由は、口の中が大忙しであり、言葉を失うほど美味しいから、だったんです。

 “富士山のような”海鮮丼は、ただ単純なデカ盛りの最高峰ではなく、あらゆる点で頂点を極めているという意味かもしれませんね。ぜひ、みなさんも黙って、ご堪能あれ!

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

江戸富士

店名:江戸富士

住:東京都文京区湯島2-7-7
TEL:03-3811-0111
営:11:30~14:00(なくなり次第終了)
  17:00~21:00 ※土は完全予約制
休:日祝