スープが美味しすぎる牛肉のフォー
『フォーティン トーキョー』のメニューは、「牛肉のフォー」(990円)だけです。選ぶとしたら、パクチー入りかパクチーなしか。つまり、お客さんの全員が「牛肉のフォー」を食べることになるわけです。
『フォーティン トーキョー』の入口の券売機で好みの「牛肉のフォー」(普通、大盛りなど)を購入して席に着くと、3〜4分で牛肉のフォーとライムが載った小皿が提供されます。
丼には、黄金色に輝くスープに、刻んだネギが2種類(そぎ切りと小口切り)、そしてパクチーの茎と葉がたっぷり浮かび、まさに緑一色。ちなみにこの野菜はすべて国産の選び抜かれた素材だそうです。
まず、ライムを搾る前に、黄金色のスープを一口飲んでみると、香菜の青々した香りがフワっと抜けていきます。次にニンニクの風味がほのかに追随。スープの味は、最初は薄味に感じます。でも、出汁の旨味がじわじわと感じられます。
続いて、具材の牛肉を食べてみると、筋もなく、脂が適度にあって過不足のない噛みごたえ。とても柔らかく、噛むと肉の旨味が口中にじわりと染み出します。ウマい!
そして平たい生麺はツルンとなめらかで、スープをしっかりと吸って旨味たっぷりです。最初は薄味だと感じるスープですが、麺を食べ進むうちに、印象が変わってくるはず。出汁が舌に蓄積されていき、不思議なほどにどんどん旨みが増していく。これがまさに秘伝のスープの威力なのでしょう。
そして、ネギを2通りの切り方でたっぷり入れることにより、食感の違いの楽しさや、香りの強さも相まって、ベトナムの屋台で食べたときの空気が漂い、まさに同じ感動を味わえるのです!
このままでも十分に美味しいのですが、『フォーティントーキョー』では、卓上調味料を追加することで、さらに好みの味にすることを勧めています。
卓上調味料は、ティンさんオリジナルのチリソースやニンニク酢、ヌクマム(ベトナムの魚醤)です。
チリソースを入れるとおとなしいスープが激変。辛味・甘味が加わって、刺激的かつスープの輪郭がクッキリしてきます。
またニンニクスライスと唐辛子を漬け込んだニンニク酢。実はこれがフォーには絶対に欠かせないと筆者は思っています。例えるなら、牛丼の紅生姜、カレーの福神漬けのように、フォーにはニンニク酢が必須レベルのアイテムなのです。
『フォーティン トーキョー』のニンニク酢は特に美味しくて、ニンニクスライスは酸っぱ辛くてシャッキシャキ! おとなしいスープ、ちゅるちゅるの麺の間で、このガーリックの風味と食感が素晴らしいアクセントになるんです。美味しすぎて、麺を食べ終えた後、スープも一滴残らず飲み干してしまうほど。
というわけで、ベトナムに行かずに、こんなに美味しいフォーが食べられる『フォーティントーキョー』には、正直「ありがとう」と言いたいくらい。
食べたことがない方、ぜひ、行ってみてください!
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
店名:フォーティントーキョー新宿店
住:東京都新宿区西新宿7-9-13石川ビル 1F
TEL:03-6297-2454
営:11:00〜21:00
休:無休