東京・八王子『竹の家』の“オートボイル式ラーメン”

「八王子ラーメン」といえば、東京・八王子のご当地ラーメン。トッピングに、チャーシューやメンマだけでなく刻み玉ネギを使うのが特徴です。
しかし、今回紹介する地域密着型ラーメンは、その八王子ラーメンの定義である刻み玉ネギは入ってないものの、八王子の住民にとっては慣れ親しんだソウルフードとも言える『竹の家』のラーメンです。

『竹の家』は、昭和29年創業の老舗。その佇まいからして貫禄を感じます。そして、ここのお店が特別なのは、ただ老舗というだけでなく、“オートボイル式”だということです。

「オートボイル式」とは何か。写真をご覧ください。このように、麺を機械で自動茹で(オートボイル)しているのです。
ご主人がザルに生麺を入れると、この巨大な釜の中を麺が自動的に浸かって、ゆっくり回転。徐々に上昇して、上がってくれば、麺が茹で上がっているという仕組み。昭和の時代にはハイテクだったのかもしれませんが、令和の今となってはレトロで微笑ましいですよね。

登場した「ラーメン」は、ご覧のように濃い醤油色。表面はうっすらラードが浮いており、ネギ、チャーシュー、メンマ、海苔がのっていて、昔ながらの醤油ラーメンといったビジュアル。
煮干しの香りが漂い、スープをすすると、出汁の旨みがしっかり感じられます。麺は、中太の縮れ麺。もっちりしていて実にいい塩梅。これがオートボイル式の麺なのかと、その優秀さを噛み締めます。

スルスルと食べられて、後味もあっさり。非常に軽いので、おやつのように食べられる。しかも、お店のレトロ感も心地よくて、毎日、寄り道したくなるような、そんなお店です。
●SHOP INFO
店名:ラーメン専門店 竹の家
住:東京都八王子市中町4-2
まとめ
今回紹介したお店はみな、唯一無二の味わいのラーメンばかり。でも共通するのは、店に漂う空気の柔らかさと、ラーメンの優しい味わい。ぜひ食べに行ってみてください。
(撮影・文◎土原亜子)