美味しいものを食べるのは大人だけの特権じゃありません。高校生だってもちろん美味しいものが大好きです。ただし、使えるお金にかなり制限があること。胃袋の活発具合が大人の数倍だということが大きく違います。高校生がその小遣いの中で、いかに美味しくボリュームある品を選び、堪能しているのか。そんな食欲旺盛・現役高校生による、実食ルポです。
●取材した子：平賀涼介（仮名）
都内某高校に通う17歳。小遣いはひと月約7000円（成績があまりに悪いと下がるそう）。ラーメン、焼肉、寿司とアニメ、漫画が大好き。料理を作るのも好き。ひいきのチームは広島カープ。
高田馬場「末廣」ラーメン特盛1000円
待ちに待った7月の小遣いをもらった。7000円。もっと下さい（小声）。さて何を食べようかと迷ったものの、すぐに答えは出た。よし、ラーメンを食べよう！
高田馬場駅から明治通り方面に歩いて7～8分ほど、お目当ての店はそこにある。
高校生にとってラーメンを食べる時に重要なのは、とにもかくにも量、値段といったコストパフォーマンスだ。まだまだ育ち盛りの胃袋に対して心もとないサイフの中身。どうしても1食にかけるお金には限界がある。その中でいかに美味しく安く済ませられるかは死活問題だ。今回食べに行く『末廣ラーメン本舗』は、そのどちらも満足させてくれるラーメン店なのだ。
白い暖簾をくぐり入り口を開け、すぐ右側に食券機がある。700円の中華そば、910円のチャーシュー麺、半チャーハンセット1000円などのメニューが並んでいるが、ここ『末廣』の嬉しいところは、麺を大盛り、特盛りにしても値段が変わらないこと。つまり、中華そば特盛りも700円で食べられちゃうのだ。腹ペコの高校生にはすごくうれしいサービス！
いつもの（と言っても頻繁には来られないけど）中華そばにしようかと思ったけど、お小遣いはもらい立て。今日は奮発しよう！（でも1000円使うのはちょっとだけ気がひける……90円あればガリガリ君も買えるし）と「チャーシュー麺特盛り」（910円）のボタンを押す。ちなみに普通が麺1玉、大盛りが1.5玉、特盛りが2玉になっているそうだ。
カウンター席の端っこに座り、食券を差し出す。セルフサービスの水を少し飲んで、ラーメンが出てくるのを待った。
少し待って、ついに「チャーシュー麺特盛り」が目の前に運ばれてきた！ 濃い目の醤油スープの表面には油が浮かび、チャーシューがドサッとのっかっている。基本の具材はこのチャーシューだけ。ここで卓上にある丼に入った白ネギに手を伸ばす。うれしいことにこの白ネギは入れ放題。いっぱい食べても頭は良くなりゃしないけど、でも、とにかくたくさん入っているのが好きなので、トングからこぼれ落ちんばかりにつかみ取りラーメンにのせ「ネギチャーシュー麺特盛り」にバージョンアップさせる。
で、まずはスープをひと口。見た目の濃厚さほど濃くはなく、鶏・豚・野菜の旨みと醤油のキレのバランスがすごくいい。麺は四角い中太麺で、少し硬めの茹で加減もスープとの相性が抜群だ。しばらくは麺をひたすら啜る。食べても食べても、食べてもまだ麺があるのを見ると、顔がにんまりしてしまう。そしてネギがスープに馴染んできたところで、ネギとチャーシューに箸を伸ばす。ここのチャーシューは、薄くスライスしているのが特徴で、このチャーシューの脂をネギがさっぱりとさせてくれる絶妙の相性。ここに胡椒を振りかけるのも風味が変わってオススメだ。
ようやく麺を食べ終わりスープを飲む。ネギから出た甘みで、最初とは表情が変わっているのが楽しい。そういえば、表面の油のおかげで特盛りでも最後まで熱々で食べられるのも嬉しいところ。豚骨や味噌、家系などこってり系に飢えていがちな高校生も絶対に満足する醤油ラーメンだと思う。カウンター9席の店なので大勢では無理だけど、仲のいい友人と一緒に来て、「美味しいだろ？」と自慢してみたくなってしまう。
キレイに完食し、手を合わせて、「また来よう」と思いながら店を出た。
●SHOP INFO
店名：末廣ラーメン本舗 高田馬場店
住：東京都新宿区高田馬場2-8-3
TEL：03-3200-2885
営：11:00～翌3:00
休：その月によって異なる
