これはアリ!オキテ破りの「からあげ鍋」は今後の鍋のスタンダードになるか

これはアリ!オキテ破りの「からあげ鍋」は今後の鍋のスタンダードになるか
唐揚げを30秒ほどくぐらせてかたいただきます | 食楽web

寒い夜には唐揚げのみぞれ鍋はいかが?

「鍋でからあげ!? ありえない!」という声が聞こえてきそうですが、それが絶妙なまでに“ありえる”のです。東京・練馬にある『からあげダイニング AkiTaka』は、名物の「唐揚げのみぞれ鍋」(1人前1,058円)が大人気でリピーターも多数。昆布だしのスープに揚げたてのからあげをくぐらせてから食べる斬新なメニューで、カラアゲニストの間では「進化系からあげ」のひとつとしてもっぱらの評判です。

 まずは、からあげをそのままいただきました。しっかりとした衣はシャリシャリ感抜群。真空状態で繊維を切っているそうで、肉はしっとり柔らかく、ふわっと軽やかな食感です。味付けにローズマリーエキスを揉み込み、伊豆大島の深層海塩で肉をコーティングして旨みを閉じ込めているので、臭みがなく、どことなくエスニックな爽やかさ。もちろん、肉汁も十分。さらに驚きなのが、鶏もオリジナルという点。アジア各地のレストランで出会ったからあげに魅了されたこちらのオーナーが、4年の歳月をかけてからあげ専用の鶏肉を開発したのだそうで、からあげグランプリ・東日本味バラエティ部門での金賞受賞歴もあります。

1人前は唐揚げ4個付き(写真は2人前)
1人前は唐揚げ4個付き(写真は2人前)

 さあ、いよいよ鍋が煮えてきました。白出汁をベースにしたスープへからあげを投入。30秒ほどひたしてから食べてみます。衣が崩れるのを心配しましたが、それは一切なし。むしろ昆布出汁を吸っておいしさが倍加。シャリシャリ感にとろみが加わって、舌からウロコ……いや、目からウロコな味わいです。

 最近は、からあげに発展性を持たせようと、味付けや食べ方を研究しているお店がたくさんあり、一見からあげとはミスマッチにも思える調理法を実践しているところも見られます。こちらの店員さんによると、最初はやはり「からあげと鍋は合わない」と思ったそうです。しかし試行錯誤を繰り返し「いける!」と思えるものができたため、メニューに加えたのだとか。

 それにしても、鍋とは驚きでした。こんな食べ方もできるんですね。まだまだ寒い日が続きます。このからあげのお鍋で体を暖めてみてください!

●SHOP INFO

からあげダイニング AkiTaka

店名:からあげダイニング AkiTaka

住:東京都練馬区豊玉北5-17-21レヴァンテIII-2F
TEL:03-5946-9855
営:ランチ11:30~15:30(L.O.15:00)
  ディナー17:30~24:00(L.O.23:00)
休:なし

●著者プロフィール

松本壮平

ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。