チキン南蛮発祥店『おぐら』と『直ちゃん』の味を再現

『ひむか食堂』では、3種類のチキン南蛮定食が用意されています。券売機で食券を購入してオーダーするスタイルですが、写真を見るとどれも美味しそうで迷ってしまいますね。
「本場宮崎チキン南蛮定食・一枚肉」(1390円)は、チキン南蛮発祥店のひとつ『おぐら』(宮崎市)のインスパイア系といったところ。揚げたムネ肉を南蛮酢にくぐらせ、タルタルソースをたっぷりかけた、私たちにもっとも馴染みのあるチキン南蛮です。

タルタルソースは自家製のマヨネーズをベースに数種類のスパイス、ゆで卵、キュウリ、ニンジン、自家製ピクルス、玉ねぎ、パセリなどを加えて作っているとのこと。ひと口ペロリとなめてみると、さっぱりしていながらもトロリとした舌ざわりがたまらない味わい。

南蛮酢は13年の歳月をかけて作り出したという、これまたこちらのオリジナル。チキンをひと噛みすると、その香ばしい香りが鼻をくすぐります。ムネ肉とは思えない柔らかい肉。それを包むカリッと感ある衣は南蛮酢を軽く含んでかすかなしっとり感も。そこにタルタルソースが絶妙なアシストをしています。ピクルスや玉ねぎなどのプチプチした食感もまた最高!
このほか、モモ肉を使った「ひむかのチキン南蛮定食・3個」(1250円)も、文句なしのウマさ! 南蛮酢・タルタルソース・衣・肉の一体感が素晴らしい。トロットロの歯ざわりと舌ざわりで、胃袋まで溶けてしまいそう。疲れたときに食べると一気に元気が回復しそうなパワフルな味わいです。

『直ちゃん』風のチキン南蛮はタルタルソースなし!

そして最後は、発祥店『直ちゃん』(延岡市)の味を可能な限り再現したという「元祖延岡チキン南蛮定食・一枚肉」(1350円)。こちら、なんとタルタルソースなしのタイプ。チキン南蛮というと、どうしてもタルタルのイメージが強いですが、実はこのタイプが元祖と言われています。

このチキン南蛮がこれまた超絶美味しくてビックリ。南蛮酢がほかの2品のものよりもやや濃い印象で、それが衣にしっかりなじみ、ガツンと来る感じ。タルタルソースがなくてもここまで美味しくできるとは! オーナーの竹本さんが以前営んでいた『入谷キッチン&バル』のチキン南蛮も筆者は大好きで何度も食べたのですが、その味よりも格段にレベルアップしています。
まとめ

しかし東京でここまで美味しい本場の味を体験できる日が来るとは思いませんでした。場所柄、ピークタイムは行列もできていますが、一食の価値アリです。本場のチキン南蛮を味わってみたい人は、ぜひ一度訪れてみてください。
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。