L-BONEステーキ完成までの実況中継

結衣:予想以上にごついね。まずは炭火焼きからスタートするみたい。
彩香:うわ、見て、火が上がった! 目測だけど厚みが3cm以上ありそうだし、中まで火を通すのは時間がかかるのかな。でもこのままだと焦げそう……
結衣:最初に炭火で表面だけをカリッと焼き上げて旨みを閉じ込めてるんだよ。ほら、適当なところでフライパン型の鉄板に移したでしょ。
彩香:今度は小鍋からソースをかけてる。すごい煙!


結衣:鉄板の中で、肉汁と自家製ソースが合わさって、グツグツと音を立ててるね。
彩香:う~んこの甘辛い香り、たまらない。早く食べたいわ~。

「L-BONEステーキ」は、鉄板のまま彼女たちの目の前にやってきた。ジュージューという音を立てていて熱そうだ。
「レアに仕上げているので、熱々の鉄板の上で焼き加減をお好みで調節してください」とお店の人。だが、彼女たちはいつも血が滴るようなレアがお好みらしく、調節不要のようだ。さっそくナイフを入れる彩香。
彩香:うわ、何これ! ものすごく柔らかいからすぐに切れちゃうよ☆
結衣:いいから早くして。……え、あんたから食べるんかい!
彩香:う~ん、すごい。お店の人が言っていたようにものすごくしっとりしていて、口の中でじゅわ~。あやめ牛はスゴいわ! 牛ごと食べたくなる!
そして彩香は、骨をつかんでしゃぶりつき始めた。
彩香:う~む、骨付きのお肉って何でこんなに美味しいんだろう。
結衣:それは、骨の中にある髄液という、血液を作る元みたいなのがあって、それが火を入れることで滲み出て肉に行き渡るって聞いたことがあるよ。髄液は、コラーゲンがたっぷり含まれていて、それが旨みにつながるみたい。あと、骨の周りの肉は、骨膜があって火を通しても水分が逃げにくく、みずみずしいともいうわね。
彩香:じゃあ、肌にもいいってことよね。高い化粧品使うより、これが一番だね。うちの会社にすぐアヒル口する20代女子がいるんだけどさ、美容をやたら気にしているみたいだから、この骨を横にして口いっぱい詰め込みたくなるわ。
結衣:うちの会社にもムカつく女いる!「なるほどですね、了解です」って返事はいいんだけど、全く違う行動する帰国子女の後輩。注意すると「あは~ん?」ってとぼけた態度なの。顔だけ綺麗な女、この骨で一回、叩きたいわ~。
というわけで、「愚痴らない」という肉会ルールなど最初からなかったかのように吠え始めた二人。「L-BONEステーキ」で精がつきすぎたか。
怖いので、「土鍋パスタ」に話を切り替えさせてもらい、彼女たちに食レポをしてもらった。