
中3男子といえばいつも腹ペコ。都内公立中学に通う「良太(リョウタ)と周(シュウ)」の2人は、“旨い、安い、大盛り”と聞けば、自転車を飛ばし、どこにでも行く。そんな中3コンビが、今回は新大久保にある蕎麦屋『なぜ蕎麦にラー油を入れるのか』に行った。その質問の答えをどうしても知りたかったからだ。

初訪のコリアンタウン・新大久保でなぜ蕎麦を食べる?
良太とボク(周)は、毎週日曜日、朝練後に昼メシを食べに行くのを楽しみにしている。店は二人で情報を持ち寄って決めるのだが、今日は、K-POPアイドルにハマっているボクに付き合ってもらい東京新宿区・新大久保に行くことになっていた。コリアンタウンと呼ばれているその街は、K-POP関連グッズを売る店がたくさんあるからだ。
周:すごい人だね。みんなK-POPファンなのかな?
良太:新大久保界隈は、韓国関連の店がたくさんあるけど、周が目当ての雑貨屋は30軒ちょっと、美容関連の店も30軒くらい。でも韓国料理屋がその6倍以上の約180店舗あるんだって。だから、韓国料理を目当てが多いんじゃないかな?
周:え~、この小さな街にそんなにあるんだ。確かに韓国グルメばっかり。やっぱり良太はなんでも知ってるな。
良太:Google先生に聞いただけだよ(笑)。ところで、今日はどの店に行く? たくさんありすぎて迷うよね。最近流行りのチーズタッカルビや韓国からあげとか……?
周:今日は調べてきたからオレに任せといて。店名が面白いんだよ。『なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。』っていう店なんだ。
良太:え、なんで??
周:う~む、わからない。いろいろな推測はできるけどさ。正解を知りたいよね。
良太:いやいや、そうじゃなくて「なぜ新大久保で日本蕎麦を食べるのか」ってむしろ聞きたいよ(笑)
周:まあまあ、そう言わずに。とにかくお腹が減った、行こう!

生まれて初めて「つけ蕎麦」を注文!
新大久保駅から10分くらい歩いだだろうか。直進して右に曲がるだけだったので初めての街でも迷うことなく店に到着した。
周:店先にメニューが貼ってあるから何にするか決めて入ろう。「汁そば」もあるけど、やっぱり「ラー油入り・名物つけそば」だよね。
良太:うん。種類もいろいろあるけど、朝練の後だから「肉そば」(890円)がいいな。“人気商品”って書いてあるし。
周:オレもそれがいい。でもよく見て、トッピングもいろいろあるよ。オレは「ちくわの天ぷら」(180円)と「かえし卵」(100円)を入れよう。
入店すると、カウンターとテーブル席があり、立ち食いではない。そして、お店の中は、男性ばかりで結構混んでいた。
ボクたちは券売機の前に立ってから、大事なことに気づいた。蕎麦の量を決めていなかったのだ。肉そばにも大、中、小があることにここで気づいた。

周:どうしよう……。お母さんが茹でる蕎麦は、大きなザルに山盛り状態で出てきて、家族みんなで食べるから、蕎麦の量は実はよくわかんないんだ。
良太:珍しいな、周が量で迷うなんて。ちなみにラーメン屋さんのつけ麺は、茹でる前の重量だと、並で200g、中で300g、大で400gというのが一般的らしいよ。
周:じゃ、やっぱり大の300gにしよう。しかもこのお店、蕎麦の量に関係なく890円だし、ビンボー中学生には有り難いな。
ボクたちはカウンター席に着いた。お店の人が厨房に3人いる。麺を茹でる担当、揚げ物担当、仕上げる担当のようだ。