自らを酔っ払いエッセイストと称し、酒場にまつわる多くの著書を持つ粋人・大竹聡さん。ホッピーにも一家言持つそんな大竹さんを唸らせる酒場とは!?
誕生秘話とともに楽しむ
コク深き黒ホッピーの味
恵比寿で朝から飲める店として人気の「たつや」。一見、変哲ない大衆酒場だが、実はここ、黒ホッピー発祥の店なのである。
その歴史を紐解けば、約25年前に遡る。当時、大のホッピー党だった店主が何となしに試したのがホッピーのギネスビール割り。これが抜群に旨く、客に振舞ったところ“黒ホッピー”の名でたちまち人気を集めた。
ところが、通常のホッピーと同じ価格で提供していたため原価が高くつき、売れば売るほど赤字に。結局は半年ほどでメニューから姿を消してしまった。が、そんな話がホッピービバレッジに伝わると、会社を動かすことに。そして、その1年後、研究の末に黒ホッピーは誕生したのである。
モツ焼きや煮込みを頬張り、黒ホッピーを流し込む。そんな飲んべえの幸せも店主の遊び心なくしては生まれていなかったのだ。
●SHOP INFO
店名:たつや 駅前店
住:東京都渋谷区恵比寿南1-8-16 STM恵比寿ビル1F
TEL:03-3710-7375
営:8:00~翌5:00、日・祝8:00~22:00
休:無休
予算/2,000円 個室/なし カード/不可
●著者プロフィール
大竹聡さん
おおたけ・さとし。酔っ払いエッセイスト。1963年東京生まれ。2002年、酔狂雑誌「酒とつまみ」を仲間内で創刊。以来、大量の酒と勝てないギャンブルにうつつを抜かす53歳。酒と酒場にまつわる著書多数。