【ベジつまみ】春雨の塩麹和え ヤムウンセン風|酸味はレモン、塩気は麹。優しい味って何か考えた、という話

働く妙齢男女が直面する「野菜を摂らなきゃ」プレッシャーも何のその。楽しくおいしく、野菜で飲めれば最高! と、酒に合う野菜のおつまみ、通称“ベジつまみ”を提案。外食好き&料理ベタの酒飲み女性ライターが、マクロビ料理家・丸さんの指南を受けつつお届けします。

【ベジつまみ】春雨の塩麹和え ヤムウンセン風|酸味はレモン、塩気は麹。優しい味って何か考えた、という話
食楽web

「今年の夏は変な天気だったよね」なんて会話をあちこちで聞く。梅雨にそう雨が降らなかったと思えば、梅雨明け宣言の後から豪雨やら台風やら。暑ければ冷たいものの摂りすぎで体調を崩し、気温が落ち着かなければそれはそれで、風邪を引いたりだるくなったり。人間はホント弱い生き物である。いまだ気温の予測不能な9月のために、温めても冷やしてもおいしいベジつまみが知りたい、と丸さんにいつものワガママな相談を投げてみた。

「タイ料理のヤムウンセンが、まさに温冷どちらもおいしいサラダですよね。それを和風にアレンジしたらおもしろいかもしれません」

 丸さん宅で対面したそのサラダは、タイ料理らしくパクチーがたんまり。ヤムウンセンとの明かな違いは、海老や挽き肉の代わりに入った厚揚げ。見た目だけで言えば“和風”と呼ぶにはもうひと声? しかし食してみると、なんだか懐かしい和の風味。

「野菜出汁と塩麹で味付けして、和食の深みが出るよう狙ったんですけど……どうでしょう?」

 角のない塩気に出汁と麹の奥行きが加わって、身体に染みる優しい風味。酢ではなくレモン果汁を使った酸味も、さっぱりと心地よい。出汁の染みた厚揚げに、プリプリのきくらげ、赤ピーマン、ニンジンなど食感のバリエーションが豊富で食べ応えもしっかり。クセのあるパクチーの香りも食欲をかき立てる。それにしても酢がレモンに、塩が塩麹に変わると、こんなに味が優しくなるのか。

「塩気を強めて温かく食べればごはんのおかずにもなりますし、冷やしてレモンを多めにすればさっぱりしたサラダになります。漢方の考え方だと、きくらげは夏の終わりの乾いた身体に水分を補給してくれるらしいので、9月にぴったりではないでしょうか」

 冷えたビールを飲むなら温かく、焼酎のお湯わりを飲むなら冷たいサラダ、と酒で温冷を使い分けるなんていうのもいいかもしれない。