四川省金陽県の花椒が絶賛されるワケ

「金陽県という土地は、成都から車で約11時間もかかる標高1000~4000 mの山岳地帯。そこでは2000年以上も前から青山椒を栽培しており、中国の青山椒の原種の1つなんです。この土地は、日差しが強くて日照時間も長いため、青山椒の栽培には最適。ただ、もともと貧しい土地で、これまで産業も少なかったため、ここの青山椒は一般的にはあまり流通していなかったんです」と中川さん。
しかし4年前の2016年、金陽県に政府の支援が入り、青山椒の栽培が軌道に乗ったことで、中国全土から一気に注目を集めることになったそう。
「金陽県は貧しい土地だったことや、山岳地帯で虫が少ないことから、青山椒の栽培に農薬を使わず、自然に育ててきたんです(※編注:現在は減農薬で栽培)。普通の花椒は工場の機械で乾燥させることが多いんですが、金陽産は自然乾燥。だからこそ、特別なフレッシュな香りと味わいがあるんです」(中川さん)
さっそくその金陽県産の青山椒を見せてもらうと、なんと専用の携帯タブレットケース入りでびっくり。まるでフリスクのようです。「この青山椒にハマってしまうと他では代用が効かないので、最近、こうして携帯できるものを商品化してみたんですよ。四川料理だけでなく、カレーやスパゲティ、丼もの、さらにハイボールなど、何にでも使っていますが、みんなイケますよ。ぜひ試してみてください」

さっそく筆者もそのタブレットケースを毎日携帯して過ごしてみることに。教えてもらった通り、ジャンルこだわらず、胡椒や七味をかけるかのごとくこの青山椒をかけまくって驚きました。ラーメン、餃子、ピザやハンバーガーなどにも。
その結果…何にでも合います! 感じるのは、まず世間一般の花椒とは、香りのレベルが格段に違うということ。かけた瞬間に柑橘系の香りが広がり、さらに、後味には力強いシビれが。これは本当に手放せなくなりそうです。
山椒好き&辛シビ好きの方は、ぜひこの「金の太陽花椒」を試してみてください。きっとやみつきになると思いますよ。
(撮影・文◎土原亜子)