フレッシュな「フロマージュブラン」が味の決め手

この「ゲタリアイス」は、実はスペイン・バスク地方の港町・ゲタリアにある1964 年創業のレストラン『エルカノ』で長年、愛されているチーズアイスの製法を元に作ったというスイーツ。エルカノは世界中から美食家たちが訪れる、魚介料理が有名なミシュラン星付きレストランです。
「『エルカノ』はカレイの炭火焼きが有名ですが、もう1つの名物がこのチーズアイス。何度も訪れていたんですが、あるとき、店のシェフにこのアイスの美味しさの秘訣を尋ねてみたら、なんと快く厨房に招き入れてくれて、製法を教えてもらえたんです」(戸谷シェフ・以下同)
戸谷シェフはすぐに、この美味しさを日本で紹介したいと思ったそうですが、このチーズアイスには「フロマージュブラン」というチーズが不可欠。しかし、日本中のどこを探しても、現地の味を再現できるフロマージュブランが存在しなかったそうです。
そこで北海道の『美瑛放牧酪農場』に助力を仰ぎ、チーズアイスを再現するための特別なフロマージュブランの開発まで始めたとのこと。とんでもないこだわりですね。

ちなみに、「フロマージュブラン」とは、乳白色のクリーム状のフレッシュタイプのチーズ。チーズ独特のクセや匂いがなく、クリームチーズやマスカルポーネチーズよりもあっさりした味です。
しかし、非常に繊細で、ちょっとした温度の差や菌の配合によって、酸味やコクなどの味わいが大きく変化するため、その微妙な味わいをアイスに落とし込むというのは、かなり大変だったそうです。

美瑛放牧酪農場に何度も通って試作を繰り返し、ようやくバスク地方のゲタリアのチーズアイスを名乗るにふさわしい最高のフロマージュブランが完成。気づけば、着想から2年の歳月が経っていたそう。というわけで、「ゲタリアイス」がようやく誕生したのです。美味しいのも納得ですね。
アイス以外のこだわりチーズスイーツにも注目!

ちなみに『CASA DE GAZTA(カーサ デ ガスタ)』でいただけるのは、チーズアイスだけではありません。チーズを使った新しいスイーツが他にもあります。まずご紹介したいのは、新食感のバスクチーズケーキ「CASA DE FONDU(カーサ デ フォンデュ)」。
“フォンデュ”という名前のとおり、とろける食感が特徴のチーズケーキです。これは『ガスタ』のバスクチーズケーキとはまったく異なる食感と味。かすかにチーズのクセもあって、まさに大人の味わい。シャンパンなどのお酒と一緒に味わいたい逸品です。
さらにもう1つは、特注のカレイのかたちの金型で焼いたマドレーヌ「BASQUELEINE (バスクレーヌ)」です。

「バスクレーヌ」は、ヨーロッパの厳選したチーズを使用したマドレーヌで、しっかりとしたチーズの味わいとかすかな酸味が特徴。外側はカリッ、中はしっとり。後味にまでじんわりと響いてくるチーズとバターのコクがたまりません。
「今後もどんどん新しいチーズスイーツを出していきます」と話す戸谷シェフ。バスクチーズケーキに続き、今回のチーズアイス「ゲタリアイス」も、またもや大ブームを起こしそうな予感がしますが、ともあれ、まずは食べてみて、その類まれなるフレッシュさを体感してみてください。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
店名:CASA DE GAZTA(カーサ デ ガスタ)
住:東京都白金1-14-3 1F
TEL:03-3473-7495
営:9:00~19:00
休:無休
https://valuet.co.jp/maison-b/casadegazta/