
ステイホームな日々が続き、デブ街道まっしぐらという人も多いであろう2021年、おなじみファミリーマートから「大豆ミート」を使用したサラダやおつまみが発売されるとの朗報が舞い込んできました。
ファミマといえば、2017年にも大豆ミートを使用したお弁当をリリースするなど、健康志向を反映させた商品開発でも知られていますが、今回は担々麺にジャージャー麺、あんかけ丼に春雨スープ、てりやきバーガーにトルティーヤなど、ドドーンと9種ものラインナップです。

日本では、精進料理の「もどき料理」や菜食主義者が食べる特別な食材といったイメージも強い「大豆ミート」ですが、1940年代から80年近くにわたってヴィーガニズムが根付いてきた欧米では、実はそう珍しいものではありません。
欧米の菜食主義は、元来、動物の搾取に反対する思想に端を発しており、大豆ミートもその代替プロテイン(たんぱく質)として生まれたものですが、肉食偏重の食事を見直そうというアメリカの『マクガバン・レポート(※1)』(1977年)や、それ以降のヘルシー志向の高まりによって、大豆ミートは一般にも広がり、味も食感もバージョンアップされてきました。
(※1)1977年に米国で発表され、世界に衝撃を与えた食事と慢性疾患の因果関係についての研究報告

そして、昨今の大豆ミートブームの背景にあるのは、環境問題やエシカル消費への人々の意識変革です。
食の分野では、ここ数年、畜産による温室効果ガスの排出量の高さが指摘されていますが、一方で代替肉開発で知られる米インポッシブル・フーズ社はESG投資(環境・社会・ガバナンス等に配慮する企業の株式や債券への投資)によって巨額の資金調達に成功。アメリカやヨーロッパでは若い世代ほど代替肉へのシフトが加速しており、バーガーキングも代替肉を使った「インポッシブル・ワッパー」を全米で展開しています。

ファミリーマートの今回のラインナップは、まさにそうした需要を先取りした“大豆ミート第3世代”ともいえる新商品なのです。というわけで、9品を実際に食べてみたので、味わいや特徴をご紹介しましょう。