紅茶×タイカレーは親和性バツグン
今回用意された紅茶は、「午後の紅茶 ミルクティー」、「午後の紅茶 ストレートティー」、「午後の紅茶 レモンティー」、「午後の紅茶 おいしい無糖」の4種類です。

そして紅茶に合わせるのは、ヤマモリの「プリックカレー」、「グリーンカレー」、「イエローカレー」、「プーパッポンカレー」の4種類です。ヤマモリは明治22年創業の老舗食品メーカー。醤油やつゆの製造・販売を行うかたわら、タイの自社工場で新鮮な食材を使ったタイフードも作っています。

まずはプリックカレーからトライ。赤唐辛子や黒胡椒、こぶみかんの葉を使用してあり、スパイスの風味が強く、用意された4種のカレーのなかでは辛さもダントツでした。そんなプリックカレーに合うのは、やっぱりマイルドなミルクティー。
日本人に馴染みの薄いスパイスの渋みと辛さを、ミルクティーの甘さがマイルドにして、食べやすくしてくれます。ほかにグリーンカレー、イエローカレーにもよく合い、会場では「ミルクティー万能説」が持ち上がるほど。

一方、グリーンカレーに合うのはレモンティーでした。カレーに入っているココナッツミルクのまったり感をレモンの酸味が引き締め、紅茶の甘さが辛さをほどよく緩和してくれます。レモンのおかげで、カレーの独特なハーブ感もそれほど気にせず食べられました。

そして、優しい風味のイエローカレーとプーパッポンカレーには、「おいしい無糖」がよく合いました。この2つのカレーはプリックカレーやグリーンカレーとは違い、辛さもスパイスの風味も控えめ。甘い紅茶に合わせると、逆にカレーの良さを感じにくくなってしまいました。逆に、おいしい無糖は爽やかかつ味の主張も強くないため、プーパッポンカレーの蟹と卵のうま味や、イエローカレーの素朴でコクのある味がしっかりと引き立ててくれるんです。

辛さやスパイスの癖が強いカレーには加糖の紅茶、マイルドなカレーには無糖の紅茶を組み合わせると、筆者のようにタイカレーを食べ慣れていない人でも美味しく食べられそうです。でもなぜ、紅茶と組み合わせると、タイカレーが苦手な筆者でも美味しく食べられたのでしょうか?
キリンの紅茶アドバイザーである高井美奈さんによると、さまざまなお茶に含まれるカテキンのうち、紅茶だけに唯一含まれる「紅茶ポリフェノール」という成分が、カレーを食べたときの口内の油っぽさやスパイシーさを解消してくれるからだそう。だから筆者もスパイスやハーブの風味を気にせずに食べられたんですね。
筆者と同じようにタイカレーに抵抗がある人も、紅茶と組み合わせてみると意外と楽しく食べられると思います。もちろんタイカレーが好きな人なら、さらに楽しみ方が広がるはず。「今日はカレーを食べようかな」と考えたときは、ぜひ「午後の紅茶×タイカレー」の組み合わせを試してみてください。
(取材・文◎山崎理香子)
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