意外と庶民派!? 映画『アウト&アウト』主演俳優・遠藤憲一の普段の食生活とは?

意外と庶民派!? 映画『アウト&アウト』主演俳優・遠藤憲一が語る普段の食生活
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時にコミカルに、時にシリアスに。八面六臂の芝居で観る者を惹きつけてやまない遠藤憲一さん。2018年11月16日(金)に公開予定の映画『アウト&アウト』では、重厚感あふれる元ヤクザの探偵、矢能政男役を演じている。こういった役はお手のものという印象があるが、実は苦手だと語る。

「この顔がコワモテな役を連想させるのかもしれませんが僕自身が普段、落ち着きがない男なので無理して重厚な雰囲気を出しています(笑)。訓練で居住まいを重々しくすることができるようになりましたけど、この作品でも苦労しました。矢能は受け身ながらも、そこにいるだけで絵になるような男なので」

そう話しつつ始終笑顔を絶やさない。現場では必ず笑顔で挨拶するそうで、矢能のバディである7歳の黒木栞役を演じた白鳥玉季さんがすぐになついたのもうなずける。

劇中、7歳の黒木栞役を演じた白鳥玉季さん(左)
劇中、7歳の黒木栞役を演じた白鳥玉季さん(左)

「撮影期間中は、ずーっと僕にくっついて歩いていてかわいかったですよ。一方で、彼女は芝居に対してかなりストイック。撮影当時は栞と同年齢でしたけど、きうちかずひろ監督の言葉を『はい、はい』と真摯に聞いて、監督の理想に近づけていくんです。だから僕は矢能にとって栞が、女房みたいな存在だと捉えて演じることができました。矢能はタガが外れる性質を持っていて、そこを鋭く見抜いて栞が手の平で転がすので。しゃぶしゃぶを作って帰りを待つ姿なんて女房そのもの。僕は撮影でも日頃もしゃぶしゃぶはほぼ食べませんが、準備する姿を愛おしく思いました」

ところで、7歳当時の遠藤さんはどんな子供でしたか? と聞いてみると。

「小学2年生から電車通学をしていたんです。たまプラーザから戸越公園まで。やんちゃな子供だったと思いますよ。学校が終わったら馴染みの駄菓子屋にカバンを預けて紙芝居を見に行ったり、卓球をして遊んで、まっすぐ家に帰った日がありませんでしたから。ヤクルトスワローズのファンクラブに入ったのも小学生の時。本当は巨人が好きだったけど安かったから入って(笑)、野球観戦をして夜10時半頃家に帰る日もありました。親も放任してくれていたんです。僕がやりたいと言ったことを止められたことがありません。役者をやると伝えた時も、目標を持ったと喜んでくれました」

幼少期の下地が、独特のキャラクターを生み出したといえるだろう。本作の共演者も個性派俳優ぞろいだ。

「今回は監督の意向で、台本のセリフを一言一句変更禁止だったんです。竹中(直人)さんは共演するたびふざけてばかりでアドリブも連発するのに、初日から淡々と台本どおりのセリフを言っていました。新鮮でしたね。要(潤)君ら他のキャストのみなさんも、抑えきった渋い演技で作品を引き締めてくれました。驚いたのは、(新日本プロレス所属の)中西学さん。大技を繰り出すプロレスラーで撮影中も2~3人前用の特注ロケ弁を食べる大食漢なのに、人と話すのがあまり得意ではないらしく極度の緊張しぃなんです。あの緊張感ある芝居が作品に妙な空気感を与えていて、いい雰囲気作りに役立ったと思います」

遠藤憲一

遠藤憲一/1961年6月28日生まれ。東京都出身。1983年、NHKドラマ『壬生の恋歌』でデビュー。風貌からシリアスな役のイメージが強いが、コミカルなキャラなども自由に演じてみせる個性派俳優。「アウト&アウト」では探偵・矢能政男役を主演。