進化し続けるホームパイ

ところで肝心な味の変化について聞かねば!
「1991年、沼津から富士裾野工場に移管して、今と同じように全自動化するようになりました。それから少しずつ素材のリニューアルも行っているんですよ。富士山の天然水を生地の原料に使うようになったり、またパンのように発酵種を使用するようにもなりました。
本来、パイは発酵種とは無縁のお菓子ですが、パンの製法からヒントを得て、発酵種を入れて寝かすことで、風味が良くなり、さらにサクサクした食感を向上させることができました。また、今年から、エキストラバージンオリーブオイルを少し加えるようになりました。バターの風味をしっかり残しつつ、さっぱりとしたヘルシー感を出しているんです」

新しい味の「ホームパイ」の続々、登場
やっぱり、美味しくするための工夫が到るところにこらされて、レベルアップしていたんですね。また、スタンダードな「ホームパイ」だけではなく、この50年の間に様々な種類の「ホームパイ」が登場していたことも知りました。実はホームパイは味をつけても飛びやすい性質があり、しっかり味をつけることも簡単ではないそう。ようやく1997年頃からココアフレーバーなど、少しずつ味を変えた商品を発売し始めたそうす。
「今年は50周年ということもあって、こうした味変えの新商品を毎月、限定で出していきます。ちなみに今は、ビターショコラ、スイートバニラ、レモンティーなどを発売しています」
また最近は、「アフタヌーングルメ」シリーズという新しいタイプのホームパイの「ショコラアーモンド」、「塩バターキャラメル」も発売しているそうです。「ショコラアーモンド」は、下がパイ生地で上のココア生地のクッキーの上にアーモンドが載っています。また、「塩バターキャラメル」は、パイ生地の間にココアサブレが入っています。いただいてみると、「ホームパイ」とはちょっと違いますが、袋菓子とは思えない贅沢なお菓子。さすがパイの不二家さんです。

歴史から製法、そして新しい味の開発までを伺い、常に新しい美味しさを創り出してきているホームパイを知って、改めて感動しました。皆さんもぜひホームパイの最新の美味しさを味わってみてください。今年は限定のニューフレーバーがたくさん出てきますよ~!
(撮影・文◎土原亜子)
