『シェアトラベルSAGA』で、佐賀ならではの美味いものを堪能してきた

『シェアトラベルSAGA』で、佐賀ならではの変わらぬ美味を堪能してきた
食楽web

 旅と食は切っても切れない関係があります。よく「名物に美味いものなし」などと言われますが、その土地でしか味わえぬもの、旅先だからこそ取りたい食事もありますよね。

 そんな味わいのある旅も体験できる新しい旅行スタイルが“シェアトラベル”という考え方。最大8人乗りのワゴンタクシーをチャーターして使う、少人数の「乗り合い旅」です。旅程は「ロングライフデザイン」を提唱するデザイナーのナガオカケンメイ氏が率いる「D&DEPARTMENT」が独自の切り口で編集を手がける観光ガイド誌『d design travel』編集部が厳選した佐賀の各所を巡るもの。そのコースの中に、佐賀ならではの「食の体験」も含まれています。今回、筆者が参加してきたのはこちらのツアーです。

 ツアープランは4つ設定されています(後述)が、まずは「佐賀のロングライフデザイン定番旅」(ANA利用 羽田発着 7万3,800円(税込))に含まれている、佐賀の名店ランチについて紹介しましょう。

 朝7時25分に羽田を発つ便に乗り、佐賀国際空港には9時30分着。空港で待つ乗合タクシーで最初に連れて行かれたのが、地元民、観光客の垣根を超えて人気の高い『井手ちゃんぽん』本店です。ちゃんぽんというと長崎というイメージがありますが、ここは創業60年を誇る名店。カウンターに着くと、厨房の中で小気味のいい手際で調理をする職人の姿が見渡せます。

 もちろんちゃんぽん以外の料理もあるのですが、ここは店名にもなっている名物、ちゃんぽんを注文したいところ。程なく出てくるちゃんぽんは、太めの麺に野菜がたっぷり。野菜や肉の味が出汁になっているスープは濃厚ですが、決してしつこくありません。野菜大盛やキクラゲと卵が入る特製にしたところで、意外やあっさり食べられます。早朝のフライトで朝食を抜いた胃袋に対して、とても優しい味でしっかりと満腹感をもたらしてくれるんです。

 その後はいくつかの“佐賀の長く続く伝統とデザイン”の名所を巡り、嬉野温泉を代表する旅館である『大正屋』に投宿。大正14(1925)年に7部屋だけの小さな旅館として創業し、約20年かけて改築して現在の姿になっています。今では75の客室に対し、約160人の従業員でサービスを提供しているそうです。

 温泉に浸かってくつろぐのはもちろん、老舗旅館の夕食も楽しみの一つ。献立は季節や日によって変わりますが、佐賀の食材にこだわった一級品揃いです。山海の食材がバランスよく並び、そこに佐賀の地酒を合わせれば、それはもう至福のひと時。特に佐賀牛のステーキは絶品です。

 翌日の朝は“これぞ正しき日本の朝めし”というスタイル。その時に一緒に提供される“とろける湯どうふ”がまた絶品でした。豆腐は低農薬で栽培された大豆に本にがり、そして嬉野の清水でを使って作られているものです。

 それを温泉水で煮込むことで、口の中でとろけてしまいそうな、まろやかな舌触りに仕上がるわけです。そこに薬味と大正屋秘伝の胡麻醤油を絡ませていただくと、口腔にえも言えぬ至高の香りが広がっていきます。

 この湯どうふは、材料一式をセットにして販売(豆腐2丁入り2,000円、3丁入り2,500円)しているので、気に入ればお土産や自宅用として購入することもできます。

 そんな朝食を食べた後は、再度ツアーに出発。佐賀の伝統工芸や、歴史を踏まえつつ新たな挑戦をしている焼物工房などを巡り、いよいよランチへ。

 場所は伊万里市二里町にある『ライおン』。実は佐賀は牛肉の名産地でもあります。現在国内に150ほどあるブランド牛の中でも最高ランクに数えられる「伊万里牛」を使った、美味しい牛肉料理を堪能できるのがこちらです。

 ステーキなどもありますが、リーズナブルに伊万里牛の旨さを味わいたいのであれば「ハンバーグセット」(1,600円)がオススメです。ソースは和風と洋風から選べ、ふんわりとした食感のハンバーグによく絡みます。そして一切れ口に入れると、伊万里牛の肉の旨みをたっぷりと含んだ肉汁と相まって、舌の上に幸せな感覚が広がっていきます。

 そしてツアーの最後は『山田酒店』です。ここは今では全国区となった佐賀の銘酒『鍋島』を一から一緒に作り上げてきた山田晃史さんが代表を務める、創業60年の老舗酒販店。ほかに「東一」や「岩の蔵」「天吹」など、東京にはあまり流通しない佐賀の銘酒が揃っているのも特徴です。

 旅行の途中に美味い酒を見つけて「お土産にしたい!」と思っても、どうしても重くなるので敬遠しがちですよね。しかし、ここからの旅程は帰路の空港へ向かうのみ。心置きなく、佐賀の銘酒を購入して持ち帰ることができます。どの酒を選んでいいのかわからない時には、気軽に相談してみてください。日本酒の知識が豊富な山田さんが、客の気持ちになってアドバイスしてくれるので、最高の酒を選ぶことができますよ。

 今回はシェアトラベルSAGAの「佐賀のロングライフデザイン定番旅」から食だけを抽出してみましたが、このツアーにはほかにも3つのコースがあります。ぜひ、自分の興味がある旅のスタイルを探してみてはいかがでしょうか?

(取材・文◎松尾直俊)

『シェアトラベルSAGA』他の3コース

・【佐賀の郷土の味を巡る旅】
ANA利用 羽田発着 7万1300円(税込)

・【わかりやすい佐賀の酒旅】
ANA利用 羽田発着 6万5100円(税込)

・【佐賀のロングライフデザインをぎゅっと圧縮お得旅】
春秋航空利用 成田発着 5万2450円(税込)

*いずれも料金に含まれているのは往復の航空券と現地でのチャータータクシー、そして宿泊と夕食朝食。現地の昼食やアクティビティは、参加者が自由に選んで、個人で料金を支払う。