宅飲みがもっと充実する!「パルミジャーノ・レッジャーノ」の美味しい食べ方とは?

宅飲みがもっと充実する!「パルミジャーノ・レッジャーノ」の美味しい食べ方とは?
食楽web

 緊急事態宣言の解消でちょっとひと段落。巣篭もり生活も自炊の味も、ちょっとマンネリになってきたなぁ~、なんて思っている人も多いのではないでしょうか? そんな時こそおすすめなのがチーズ! 濃厚だったりくさかったりフルーティーだったりと、いろんな味があって、ちょっとつまむだけでも幸せな気持ちに。そのままで宅飲みのつまみにはもちろん、料理の素材や味変にだって応用可能。

 しかし、巣篭もり生活が続いた今だからこそ、素朴な疑問が。普段何気なく使っている“とろけるチーズ”って、そもそも何チーズ? 喫茶店でタバスコとともに、ナポリタンにバンバンかけている、粉チーズって何の粉?

 そこで、素朴な疑問を解消&家庭で楽しめるワンランク上のチーズの楽しみ方を教えてもらうべく、向かったのは東急東横線の学芸大学駅から徒歩6分の場所にある『ユーロアール(Euro Art)』。輸入チーズ&オーナーが生み出す個性豊かなオリジナルチーズを販売している“オートクチュールのフロマージュ専門店”です。

オーナーの鈴木荒太さん。若い頃にフランスに渡りチーズを本場で学んだ、ダンディなお兄様★
オーナーの鈴木荒太さん。若い頃にフランスに渡りチーズを本場で学んだ、ダンディなお兄様★

「チーズってさ、向こうじゃミルクでできた漬物みたいなもんだからさ」と笑顔で話すオーナー。漬物?「日本だと、漬物がどこ産でどんな工程でつくられたか、なんて気にしないでしょ。フランス人も同じ。あくまで副菜で、箸休め。あって当たり前で、毎日食べていて。むしろ外国人の方が知っていて驚いたりするんだから」。確かに、日本に住んでいて漬物に詳しい外国人がいたら驚くのと一緒かも。

「スタンスは、美味しけりゃいいじゃん、ってことだよ!」とニッコリ。そう聞くと、なんか難しそうなチーズの世界も入りやすく感じられます。

粉じゃなくて塊で買うべきその理由とは?

「パルミジャーノ・レッジャーノ」24ヶ月100g780円。溶かすとモッチモチで旨味の塊に!
「パルミジャーノ・レッジャーノ」24ヶ月100g780円。溶かすとモッチモチで旨味の塊に!

 今回教えてもらうのは、「パルミジャーノ・レッジャーノ」。ホテルのブッフェやイタリアンとかで、リゾットやパスタの器みたいになっていたり、削って粉にしてパスタやサラダにかけたりするチーズ。直径35~45cm、高さ20cm、重さ30kg以上の巨大ハードチーズはイタリアの“チーズの王様”と呼ばれています。通常はカットサイズで販売されています。

「パルミジャーノ・レッジャーノ」は、牛乳の水分を抜ききって熟成させたもの。「パルミジャーノ・レッジャーノは、24ヶ月以上熟成させたものじゃないと販売しちゃダメなんだよ」とオーナー。生産地もイタリア北部の一部の街に限られているもので、“DOP”と呼ばれる原産地名称保護制度の厳しい基準をクリアしたもの以外は「パルミジャーノ・レッジャーノ」を名乗れないとのこと。

粉チーズの元はパルミジャーノ・レッジャーノだった!

 となると、同じ製法でも違う街や国で作られたら違う名前に?
「地域も熟成期間も縛りがないのは“パルメザンチーズ”。パルミジャーノ・レッジャーノみたいなチーズってことだね。パルミジャーノ・レッジャーノを作っている過程で、中に空洞ができたりするなど、いわゆる出来損ないのヤツも作っているうちに出てきちゃう。そういったチーズをアメリカに持ってって、加工したのが喫茶店とかに置いてある、あの緑のボトル、ってヤツだね」とニヤリ。

 あ、あ~。あのボトル。ナポリタンとかにかけてた粉チーズって、元はパルミジャーノ・レッジャーノになる予定のチーズだったんだ。「あのね、パルミジャーノ・レッジャーノは、パウダー状で売っているところもあるけれど、おろした時点で味も風味も圧倒的にソンだから。塊を買うのが絶対にいいからね」とのこと。

 ということで、自宅でパスタを作って、最後に粉チーズをかけるなら、パルミジャーノ・レッジャーノの塊を削ってかけるだけで、普段よりワンランク上の香りと美味しさに。そもそも粉チーズのボトルって、パスタ以外にあまり使わないと、固まって出なくなって終了、、、というパターン。それならパルミジャーノ・レッジャーノを買って、削ったあとはおつまみにするなどして楽しむ方が、無駄にならなくていいかもしれません。

チーズ×日本酒の意外すぎる組み合わせ

イタリアワインもいいけれど、実は日本酒と合うチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノ
イタリアワインもいいけれど、実は日本酒と合うチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノ

 そんなパルミジャーノ・レッジャーノ、どんなお酒と合うんですか?「バローロだね。イタリアの最高級ワインの赤がいいよ」。バローロ、それは「王のワインにして、ワインの王」と称されるイタリアンワイン。チーズの王様とワイン王。それは確かに合いそうですが、最上級で1本2万円を超えるワインでは、、、も、もっと身近なものだと?

「実はパルミジャーノ・レッジャーノって日本酒にも合うんだよ。純米酒とかね。日本酒と一緒に味わうのはいいね~」とのこと。チーズの程よい塩気とクリーミーなコクが、日本酒のお米の甘さやキレの良さが絶妙にマッチするんだそうです。それなら気軽に楽しめそうですね。日本酒とパルミジャーノ・レッジャーノ。今度やってみようっと。

 そして、チーズのスペシャリストだからこそ知る、とっておきの食べ方って?「そうだね、塊を買うからこその楽しみが最後にあるよ」とオーナー。削ったりそのまま食べるなどして、最後に残る外皮。これを5cm×5cmぐらいの大きさに切って、レンジで15秒ほどチンすると、溶けてモッチモチに。「塊で買って、削ったり食べたりしているうちに、皮だけになったら捨てちゃう、という人も多いけれど、チンして食べたらおいしいから。最後まで楽しんでほしいね」。

ガラスケースの中には、オーナーが作る、干し柿やイチヂクなどと合わせたオリジナルのチーズも
ガラスケースの中には、オーナーが作る、干し柿やイチヂクなどと合わせたオリジナルのチーズも

 イタリアのチーズの王様、パルミジャーノ・レッジャーノは、ユーロアールはもちろん、全国のデパートやグローサリー、一部スーパーなどでもチーズコーナーに置いてある比較的メジャーなチーズなので、気軽に購入することが可能。そのままはもちろん、パスタやグラタンなどに削ってかけたり、バルサミコ酢やはちみつをつけて味わうのもいいけれど、一口サイズの塊を耐熱容器に入れてチンしてちょっと練ったら完成、旨味の塊となった“パルミジャーノ・レッジャーノ餅”はぜひ味わってほしい! ハフハフ、モッチモチ、そして旨味がぐわーっとくる美味しさは、クセになること間違いなしですよ。

(取材・文◎石澤理香子)

●SHOP INFO

ユーロアール(Euro Art) 外観

ユーロアール(Euro Art)

住:東京都目黒区中央町2-35-17
TEL:03-5768-2610
営:11:15~19:00
休:月曜(祝日の場合翌日)