●水産資源が豊富で美味しい青森・岩手・宮城・福島・茨城・千葉。第一線で活躍する地元水産加工事業者が開発した、現地に行かなければなかなか味わえないこだわりグルメをご紹介します。
日々の食卓で美味しい「魚」、食べてますか? 健康にいいことはわかっていても、調理が面倒だし美味しい食べ方がわからない、調理後の洗い物が面倒……。筆者を含め、そう思っている人も多いのではないでしょうか。
そこでご紹介したいのが、魚食の新たな楽しみ方を提案するポータルサイト『&fish』です。&fishは水産庁の補助を受けたジェイアール東日本企画が運営母体。オンラインショップや ECサイト等を通じて被災地の水産加工品の販売等を支援することで、日本の水産業において重要な位置を占める被災地の水産業の回復と復興に寄与することを目的としています。
『&fish』で扱われているのは、地域の第一線で活躍する事業者がもつ豊富なノウハウと最新技術を駆使して開発した新商品。どれも現地に行かなければなかなか食べられない逸品ばかりです。その中から、編集部がピックアップした6品を実際に食べた感想とともにご紹介します。
※『&fish』はここからチェック!
https://andfish.jp/
青森県『マルヌシ』の「金目鯛漬け丼の素」
高級魚の代表キンメダイ。伊豆や房総半島のイメージが強いかもしれませんが、実は年間を通じて水揚げ量トップクラスを誇るのが青森県八戸港です。
同港所属の2隻が北太平洋の「天皇海山(てんのうかいざん)」とよばれる海域で漁獲するキンメダイの特長は、脂のりのよさと濃厚な旨味。これを生かすために船上で急速冷凍し鮮度をキープ、煮付けなどではなく生食にこだわって開発されたのがこの商品です。
ポイントは、細かな調整を繰り返し完成させた漬けダレ。袋のまま解凍してタレごとご飯にのせれば、昆布と鰹、醤油がキンメの味を引き立てる豪華な漬け丼のできあがり。通年安定量が確保できる八戸ならではの価格もうれしいですね。
<編集部のココがおすすめ!>
「味付きなので、ご飯の上に汁ごとのせるだけで食べられます。1人前になっているのも実用的ですね」
「魚特有のにおいもなく白米との相性が抜群! ワサビとネギをのせて楽しみました。だし茶漬けにしても美味しそう」
●DATA
金目鯛漬け丼の素
内容:90g
メーカー希望小売価格:1080円(税込・以下同)
※冷凍
岩手県『川石水産』の「帆立たっぷりグラタン」
肉厚で貝柱の繊維を感じる歯ごたえあるホタテが自慢の岩手県。三陸の栄養豊富な海で育ったホタテと、沿岸北部の田野畑(たのはた)村でのびのび育った乳牛から作られる、山地(やまち)酪農牛乳を贅沢に使ったグラタンパンがこちら。
ホタテが主役の「プレーン」、桜チップで燻製にしたこだわりの熟成ベーコンをトッピングした「ベーコン」、三陸産の海苔と花巻の老舗醸造元による無添加醤油で和風にアレンジした「海苔醤油」、3種の味が用意されています。
食べ方は簡単。レンジまたは冷蔵庫で解凍後、オーブントースターの天板にクッキングシートを敷いて4分ほど焼くだけ。
手作業でほぐしたホタテの貝柱がホワイトソースに混ぜられているので、どこを食べてもホタテがしっかり感じられ、アクセントにお餅が隠れているのもユニークです。
<編集部のココがおすすめ!>
「濃厚&クリーミーな味わいで、カリカリ食感のバケットがたっぷりのホワイトソースと具材を支え食べ応えがあります」
「休日のちょっとリッチなブランチにもぴったり! 食べやすい大きさにカットして出せば、おもてなしにも喜ばれそう」
●DATA
帆立たっぷりグラタン
内容:プレーン×1、ベーコン×1、海苔醤油×1
メーカー希望小売価格:各1200円
※冷凍
宮城県『末永海産』の「海鮮スモークセット」
晩酌のお供にぴったりなのが、濃縮された魚介の旨味を存分に堪能できるこちらの「海鮮スモークセット」。先祖代々、石巻市の万石浦(まんごくうら)湾すぐ近くで水産加工販売を生業としてきた末永海産が手がけています。
宮城県産のカキと銀鮭、国産のホヤ、ホタテ、ツブ貝、5種が味わえる燻製セット。こだわりの製法は3段階に分けられ、まず魚介からあふれ出るエキスを汁ごと食す「潮煮(うしおに)」で火を通し、次に直火で炙って水分を飛ばし、仕上げは桜チップで燻製。熟成に熟成を重ね、完成までになんと3日もかけているそうです。
いずれもコンパクトな30g入りで、出張帰りの新幹線でビールと共に楽しむ人も多いのだとか。おつまみはもちろん、お茶漬けやサラダのトッピングにしても大人の味わいを堪能できます。すっきり淡麗な飲み口の宮城の地酒とともに味わうのもオツですね。
<編集部のココがおすすめ!>
「スモーキーな香りで、素材の旨みがギュッと詰まっているのを感じます。5品で盛り合わせにするととても豪華!」
「常温で持ち運びしやすいので、キャンプに持って行って設営後の晩酌タイムに楽しみたい」
●DATA
海鮮スモークセット
内容:牡蠣×1、ほや×1、帆立×1、つぶ貝×1、銀鮭×1
メーカー希望小売価格:2399円
※常温
福島県『かねまん本舗』の「シーフードケーキ3種の贈り物 常磐産カナガシラ入り」
常磐沖で操業する底引き漁船によって漁獲されるカナガシラは、旨味がありながらも加工しにくく、可食部が少ないなどの理由でやむなく廃棄されてきた未利用魚。これ資源として有効活用した、スティックタイプの創作かまぼこがこちらです。
防腐剤や合成着色料、甘味料は一切使わず、原料となる白身魚のすり身を練る水は、限りなく自然に近いバイオセラミック水を使用。従来の蒸す製法ではなく、独自の「焼き抜き製法」で魚の旨味と食感を最大限引き出しているのも特長です。
賞味期限が長く、常温保存が利くのも大きなポイントで、味はかに、貝柱、チーズの3種類。世代を問わず食べやすく、一手間かけて天ぷらやフライにするとメイン料理にもなります。
<編集部のココがおすすめ!>
「封を切ったときの香りがすごい。表面に身が並んで載っているカニが贅沢!」
「一口大にカットしてサッと出せば、来客時やおうちパーティーでも活躍しそう」
●DATA
シーフードケーキ3種の贈り物 常磐産カナガシラ入り
内容:貝柱×2、チーズ×2、カニ×2
メーカー希望小売価格:3250円
※常温
茨城県『齋藤商店』の「おひとり様用 贅沢あんこう鍋(3個入)」
茨城を代表する冬の味覚といえばアンコウ鍋。ですが、食べたことがある人は意外と少ないのでは。本場の味をもっと気軽に、季節を問わずおひとりさまから楽しんでほしい。そんな想いがつまった新商品がこちらです。
作り手は、アンコウ鍋の発祥地として知られる北茨城北部、平潟(ひらかた)町で80年続く『齋藤商店』。1人用のアルミ鍋にカットされた具材とスープがあらかじめ入っているので、フィルムをはがして凍ったまま火にかけるだけで食べられます。
自慢は、アンコウの中骨からだしをとり、脂ののったアン肝と味噌を合わせたオリジナルのだしスープ。プリっと弾力のあるアンコウの切り身の美味しさを大根、ネギ、ワカメのシンプルな具材が引き立てます。
<編集部のココがおすすめ!>
「初めて食べましたが実に滋味深い味わいで、プルプルのアンコウの切り身がごろごろ入っていてコラーゲンもたっぷりとれそう」
「シメに軽めのご飯を入れて食べたら、コクのあるスープを吸ったご飯が絶品! うどんやラーメンも合いますね」
●DATA
おひとり様用 贅沢あんこう鍋(3個入)
内容:1個(460g)×3
メーカー希望小売価格:3428円
※冷凍
千葉県『一政水産』の「特殊凍結で鮮度保持 銚子のお刺身3点セット」
国内最大級の漁業基地、銚子港で水揚げされた天然のイワシ、マダイ、キハダマグロを味わえる豪華なお刺身3点セットで、お寿司や丼も楽しめます。
使われている特殊凍結機は、細胞を整列させたまま凍らせることができるので、細胞膜が破れにくく解凍後のドリップも少ないのが特長。自宅で気軽に、凍結前の獲れたての風味を楽しめるのがうれしいですね。
使われているのは、銚子港で6月頃に水揚げされる「入梅(にゅうばい)いわし」。産卵前のマイワシを指し、1年のうちでもっとも脂がのっておいしいことで有名です。これを手作業でていねいに卸し、地元産の醤油で“漬け”にしたのがこちら。漬け時間はあえて短く、素材の味が楽しめるよう工夫されています。
魚体は3kg以上、産卵期をさけた秋口のマダイを熱湯にさっとくぐらせ、すぐに冷水にとる「湯引き」を施してあり、皮目の脂の味わいが引き立ち、皮の歯切れがよく食べやすいのが特長。
マグロは捕獲時に暴れたり、取り扱い方により血栓と呼ばれる赤いスジのようなものができると商品価値が下がってしまいますが、こちらは血栓が少ない魚体15kgの個体を厳選。マグロ本来の味と食感をしっかり楽しめるのが贅沢です。3品の解凍方法は『&fish』の商品ページに詳しく掲載されています。
<編集部のココがおすすめ!>
「漬けいわしなのですが、パッと見10枚かと思ったら2段になっていて倍の20枚入りでびっくり。脂がのってトロトロ、いわし好きにはたまりません」
「真鯛は一手間加えた湯引きになっていて、ワサビ醤油はもちろん、ごま油と塩でも美味しい」
●DATA
特殊凍結で鮮度保持 銚子のお刺身3点セット
内容:漬けいわし:約18g×20枚、天然真鯛(湯引き)スライス:約100g、きはだ鮪:約200g
メーカー希望小売価格:5500円
※冷凍
食べて応援! 年末の自宅ご飯やギフトにも
ご紹介した6品はいずれも3か月〜1年など賞味期限が長く、手軽に食べられるものばかり。ストックしておけば、夕食を作る時間がないときや、もう一品ほしいときに大活躍! 年末の自宅ご飯や贈り物にも最適です。
『&fish』には、商品詳細や美味しい食べ方に加え、各社の開発秘話なども載っています。ショッピングしながら、生産者の生の声も合わせてチェックしてみてください。
(取材・文◎池田実香)
●DATA
&fish
https://andfish.jp/