ニッポンのソウルフードの1つである “ふりかけ”。その元祖は九州・熊本の「御飯の友」である。さらに調査すると、熊本にはハイレベルなふりかけが次々と見つかった。そこで、無類のご飯好きが選ぶ、お取り寄せして絶対損がないふりかけをご紹介!
食パンブームが続く昨今だが、日本人たるや、やっぱりご飯が1番。とくに新米の今の季節、炊きたてのご飯は、お米1粒1粒がツヤツヤでふっくら。それだけでも美味しいが、“ご飯のお供”があれば、なお嬉しい。というわけで、まずは元祖ふりかけ「御飯の友」からご紹介していこう。
熊本のふりかけ製造会社『株式会社フタバ』の「御飯の友」は、大正時代初期に作られた“ふりかけの元祖”。考案者である吉丸末吉さんの誕生日5月6日は 、なんと“ふりかけの日”にも制定されているのだ。
しかしながら、熊本県民以外は、「食べたことがない」という人も多く、かくいう筆者も、その存在すら知らなかった。そこでさっそくお取り寄せをしてみた。
炊き立てのご飯に「御飯の友」をたっぷりかけた瞬間、ご飯の水分と馴染んで、ふわ~っと煮干しの香りが辺りに充満する。口に入れたら、カリカリッとした食感で、いりこ、昆布などの魚介系の濃厚なダシが広る。これは確かに美味しい!そして、食べているそばから丸ごと小魚を食べている気分になる。
ちなみに考案者の吉丸さんの職業は薬剤師だったそうで、「カルシウム不足を補うために魚を骨ごと粉にする」と、健康に配慮していることも特徴だ。
「御飯の友」を初体験したら、同じ熊本県のふりかけに俄然、興味が湧いてきた。調べていたら、2017年の4月には「全国ふりかけグランプリ2017」なるものまで熊本で開催されていたことがわかった。
そこで金賞に輝いたのは、これまた地元、熊本県『浦島海苔』の「贅沢うにふりかけ」。さっそくこちらもオンラインショップでお取り寄せしてみた。
ウニといえば、めったに食べられない高級品である。それを、「うまかつなら、ふりかけにしたらよかばい」と、惜しげもなくフリーズドライ。さすが我が道を行く“肥後もっこす”である。
「贅沢うにふりかけ」をごはんにかけて、口に頬張ると、最初は、「ん?ウニはどこに……?」と一瞬「??」を感じる。だが、噛みしめているうちに、じわじわとウニの味が舌に浸透してくる。そして、確かにウニを食べた気持ちになるのだ。
ここで、大事なポイントに気づいた。ドライ系の「ふりかけ」は決して早食いをしてはいけないということ。よく噛んでご飯と一緒によくなじませて味わうことで、その深みを感じることができるのである。
さらにこの「贅沢ウニふりかけ」の場合、炊きたてのごはんと最初からよく混ぜ合わせておくほうがいい。ごはんの水分が“乾燥ウニ”に染みてくると、本物のウニ感がいっそう強くなるのだ。
というわけで、熊本のふりかけのレベルの高さにますます興味が湧いてきて、次にお取り寄せしたのは、これまた熊本を代表する食品メーカーのひとつ『通宝』の「納豆ふりかけ」。こちらも「全国ふりかけグランプリ2015」で金賞を受賞した逸品である。
「納豆ふりかけ」と聞くと、「じゃあフツーの納豆でいいじゃん」などと思う人もいるかもしれない。しかし、ひと口食べてみれば、それがいかに甘い考えだったか猛省を強いられることになるだろう。
「納豆ふりかけ」とご飯と一緒に口に放り込み、よく噛んで欲しい。フリーズドライされたひきわり納豆のサクサク感は、普通の納豆にはないし、また、糸を引くことはないが、そこはかとなく粘りがあって、とても上品だ。
そして、この金賞2商品を食べてみて気づいたことがある。それは、一緒に入っている「海苔」の秀逸さ。そういえば、2つを作っているそれぞれの会社は、「海苔屋」なのである。
海苔といえばやっぱり“有明海苔”。九州自慢の特産品であり、熊本のふりかけは、この有明海苔のアシストを受けて、至極の味わいを形成しているのだ。