冷凍焼き餃子は安くてヘルシー！ 気になる味は？
食べ比べを始める前に、筆者の理想の焼き餃子像を表明しておきたいと思います。といっても、いたって普通です。皮がパリッとしていて香ばしく、噛んだ瞬間、ジュワッと野菜＆肉のジューシーな肉汁が出てくるタイプ。
まずは、セブンイレブンの「国産の野菜たっぷりレンジで焼き餃子」（138円）。皮のパリッと感はあまり感じられませんが、焦げ目の香ばしさがちゃんとあります。そして中の餡は肉と野菜が一体となった旨味がたっぷり。ひと口目からもう美味しいです。
そして名前どおりの味と言いましょうか。野菜の美味しさが際立っている餃子なんです。入っている野菜は、キャベツ、タマネギ、ニラ、にんにく。使用している肉は鶏肉と豚肉ですが、肉の美味しさというより野菜の美味しさが光る餃子という印象です。
2番目に食べたのは、ローソン「国産豚の焼き餃子」（138円）。これも、もはや水餃子か？と思うくらいフニャフニャしていますが、食べてみると濃厚な豚肉の味わいが前面にくるタイプ。食感がどうとかよりもこの肉の旨味が非常に良い。
食材は国産豚肉と、国産キャベツ、タマネギ、ニラで、ちなみにニンニクは不使用。生姜がアクセントに効いていて、肉まんの餡のようなイメージです。肉々しい餃子が好きな人にはとてもイイんじゃないでしょうか。
さて、続いてはファミマの「お母さん食堂 野菜の旨味たっぷり！本格焼餃子」（160円）です。正直、これを食べたときは驚きました。噛んだ瞬間に文字通り肉汁がほとばしったのです！ 油断していたので、服が汚れてしまったほど。これは先の2つと違って、ものすごくジューシーさが際立っています。
使っている野菜はキャベツではなく白菜。そして、ニラの風味を強く感じます。こうした野菜の香りと旨味があり、なおかつ、豚肉のジューシーさもある。
3つを食べた時点で思ったのですが、レンジ加熱のため、どの餃子も皮のパリパリ感はほぼありません。しかしその分、旨みや味の深みをダイレクトに感じられるよう、各社工夫しているんだな、というのが伝わってきます。
最後はミニストップの「国産鶏肉・豚肉使用焼ギョーザ」（118円）です。これは見た目がセブンイレブンとよく似ています。素材もセブンと同じで、キャベツ、タマネギ、ニラ、鶏肉と豚肉。ただ食べてみると、セブンイレブンのよりもガツンと餡の味が濃くて甘め。あえて個性的な方向に舵を切っているイメージです。濃いめの味付けなので、ご飯に合いそうです。
というわけで、冷凍焼き餃子は、皮の食感はあまり楽しめなくても、かなりレベルが高いことが判明しました。そして今回、もっとも美味しかった冷凍焼き餃子は…ズバリ、ファミリーマートの「お母さん食堂 野菜の旨味たっぷり！本格焼餃子」です。
いずれの焼き餃子もレンチン調理のため、皮の食感はどれもイマイチなのは最初に申し上げたとおりですが、ファミマのそれは、皮の焼き目の上品な香ばしさと、中の餡の野菜と肉汁感がダントツに美味しかったです。しかも、ちょっと想像の上を行くジューシーさ。気をつけて噛まないと、大量の肉汁がジュワッとほとばしります。ただし、これだけ160円と最高値でした。
ちなみに2位はセブンイレブンの「国産の野菜たっぷりレンジで焼き餃子」。こちらも餡の野菜がとても美味しかったです。これはドラえもんで言うと出来杉君タイプというか、優等生のイメージ。クセがないので、万人受けするのはセブンの餃子だと思います。
そして「野菜は二の次でいい。とにかく肉々しい餃子が食べたい！」という人はローソン。ガッツリ濃い目の味付けでご飯をかっこみたい向きにはミニストップがそれぞれオススメです。
（撮影・文◎土原亜子）
