中国文化圏では美しい月を愛でながら、月餅を楽しむという習慣があります。本場「ザ・ペニンシュラ香港」では、たった3日間の限定販売、予定個数があっという間に売り切れてしまった幻の月餅が、東京ではまだ購入可能! よりおいしくいただくコツ、そして現地の月餅事情をリポートします。

香港で入手困難な幻の品を東京で手に入れる
旧暦8月15日にあたる、今年の10月4日は中秋の名月。日本ではすすきを飾り、丸く作った月見団子をお供えするのが一般的ですね。一方、中国の文化では「月餅」と呼ばれる中国菓子を家族で楽しんだり、知人に贈る習慣があります。本場・香港では年々、バリエーションに富んだ月餅が登場し、人々は先を争って新商品や限定品を買い求めているとか。
なかでも人気を誇るのが「ザ・ペニンシュラ香港」の中国料理の名店「スプリングムーン」の月餅。忙しい毎日の営業の合間を縫って、点心師(餃子や胡麻団子などの点心を作る人)たちがシーズンに先駆けて手作りします。
あひるの塩漬け卵黄やカスタードパウダーを混ぜた餡を、バター、卵、小麦粉などで作った生地で包みます。ほろりと崩れる生地はバターの香りがする西洋菓子のような印象で、カスタード風味の餡は決してしつこくなく、細かくカットして練りこんだ卵黄が舌触りと味のほのかなアクセントに。ひとりで食べきれる小ぶりなサイズも人気の理由です。
長年の伝統と試行錯誤を経て生まれたこの個性的な味に、香港では人気が高まり、年々、入手困難になってきつつあるのですが、幸いなことにそのレシピで作られた月餅を「ザ・ペニンシュラ東京」でまだ購入することができます。
