真っ赤なスープにチーズ!? 福井・小浜のご当地グルメ「鯖おでん」が旨い

真っ赤なスープにチーズ!? 福井・小浜のご当地グルメ「鯖おでん」が旨い
食楽web

 日ごとに寒さが増し、おでんが恋しくなる季節。若狭湾に面した食の宝庫、福井県小浜市で、かつてないユニークなおでんを発見しました。その名も「鯖おでん」。なんと真っ赤なスープに浸ったおでんなんです! 果たしてどんな味がするのでしょうか? 食べに行ってきました。

 鯖はどこに入っているのか? 真っ赤なスープの正体は何なのか? 答えを追求すべく、福井県立大学小浜キャンパス内にあるレストラン『Kitchen Boo』に足を運びました。

 店内に入ると、目の前に広がるのは大パノラマ! 小高い山の上にあり、小浜の町並みと若狭湾を一望できる絶好のロケーションです。飲食スペースは学生用と一般用に仕切られており、地元の女性グループや家族連れで賑わっています。

 噂のおでんを求めて、早速ランチバイキングへ。11時~15時までの時間制限なしで、大人1,600円(税込)。はじめは「高いかな?」と思ったのですが、実際に食べた感想は「これなら安い!」。地元食材を使った唐揚げやコロッケ、焼き魚、天ぷら、野菜のおばんざい、手作りのスイーツ、杜仲茶やコーヒーまで、食べきれないほどの充実ぶり。とれたての素材で愛情たっぷりに作られた料理は滋味深く、どれを食べても「美味しい」の声があふれ出します。

 ランチバイキングのメニューとして提供されているのが、噂の「鯖おでん」。味のポイントは、おでんのつゆに福井県立大学が開発した「鯖しょうゆ」を使っていること。鯖の内臓から旨みだけを抽出した鯖しょうゆを使うことで、味の深みがググッと増すのだとか。

 おでんダネにも地元産の食材がふんだんに使われていますが、なかでも注目は「鯖きんちゃく」。その昔、小浜の田烏地区で盛んだった鯖の「きんちゃく網漁」にちなんだもので、きんちゃくの中には、焼き鯖とにんじん、セロリ、鶏のつみれがぎっしり。鯖と野菜の旨みが凝縮され、食べ応えのある一品です。

 つゆはトマトベース。真っ赤なつゆの正体が判明しました。インパクトがありますが、トマトと鯖しょうゆの相性が抜群で、違和感はまったくなし。おでんと洋風スープの良いところどりで、身体がポカポカにあたたまります。また、薬味の黒こしょうとチーズを加えるとイタリアン風になり、ワインやパンとの相性がアップするという意外性も。

 小浜は、かつて若狭湾で水揚げされた鯖を、京都に運んでいた「鯖街道」の起点の町。浜焼き鯖やへしこ、なれずしなど、鯖の加工品が豊富ですが、「もっと愛されるご当地グルメを!」との思いで開発されたのが「鯖おでん」なのです。地元の町おこしグループ「KISUMO」の呼びかけで、料理研究家の若林三弥子さんの協力を得て完成しました。

 現在、「鯖おでん」を食べられるのは全国で『Kitchen Boo』一カ所のみ! 鯖好き、おでん好きな方にこの冬、ぜひおすすめしたい一品です。

(撮影・文◎渡辺裕希子)

●SHOP INFO

店名:Kitchen Boo

住:福井県小浜市学園町1-1(福井県立大学 小浜キャンパス内)
TEL:0770-53-2636
営:11:00~15:00(14時以降は料理の補充なし)
休:不定休
料金:大人1,600円、小学生1,200円、小学生未満800円、2歳以下無料 ※14時以降の来店は半額