高校生の三ツ星通信。荻窪『中華徳大』の絶品チャーハンの「らんらんトッピング」に感激!

理想的なパラパラ具合とは?

「らんらん炒飯」って何だ?

 良太の事前情報によれば、『中華徳大』は、昭和49年創業のお店で、名番組の「どっちの料理ショー」「ためしてガッテン」にも登場したことがある超有名店だということがわかりました。

 土曜の午後練の後、17時過ぎに訪店。扉を開けると、すでにカウンターにはお客さんが満席です。二人で並んで、座れるまで、券売機をチラ見してメニューを決めながら待ちます。

黄色が麺類、ピンク色がチャーハン類、薄い緑が定食類と色分けしてあります
黄色が麺類、ピンク色がチャーハン類、薄い緑が定食類と色分けしてあります

僕らの目当てはチャーハンですが、なんと10種類近くあり、どれにしたらいいのやら。

:「らんらん炒飯」って何だろう?

良太:ちょっと待って。調べてみる……フツーの“卵炒飯”のことみたいだよ。ここは、「ホウレン草炒飯」が1番人気みたい。

 良太のスマホの検索画面を見て、僕は「ほうれん草炒飯」に即決。良太は普段、家では絶対に食べられないという理由で、贅沢な「カニあんかけ炒飯」。

 カウンターに座ってみると、おじさんおばさんの4人のお店の方が、手際よく連携プレーで料理を作って出してくれます。目の前のおばさんは、ほうれん草を刻みまくっているので、「ほうれん草炒飯」がやっぱり人気のようです。

 後から隣に座ったお兄さんも「ほうれん草炒飯」の食券を出していますが、「らんらんトッピングで」と言い、おばさんに200円を渡しています。

:なんだろう。「らんらんトッピング」って。

良太:炒飯の上に卵をのっけてもらうみたいだよ。ほら、あの人の炒飯を見て。

 遠くのお客さんの「ほうれん草炒飯」に目をやると、確かに卵がこんもりと載っていました。そこで僕も200円を出してお願いすることにしました。しかし、“らんらん”っていうフレーズが恥ずかしくて、「卵をお願いします」と言っちゃいました。

 登場したそれは3段重ねで、期待以上のボリューム。

 卵はとろとろ。豚肉はプルプルしていて、そしてチャーハンは、僕の理想のタイプ。しっとりふっくらしていて、口に入れるとお米1粒1粒が解けるようにパラパラです。

 ボリュームたっぷり絶品のチャーハンは、2つのおかずのおかげでさらに美味しさが何倍にもなっています。

 続いて、良太の「カニあんかけチャーハン」も登場しました。僕のよりボリュームは少なめだけど、カニたっぷりのあんかけがとろりとチャーハンに絡んで美味しそうです。

 そういえば、「炒飯」の美味しさといえば、問答無用で「パラパラであること」と言われます。確かにべちょべちょは問題外で、パラパラ感は重要ですが、同じパラパラのようでも少々タイプがある気がするんです。

良太:見た目もしっかりパラパラで、レンゲですくうと、最初からご飯粒がバラバラでこぼれ落ちるタイプってあるよね。でも口に入れると水分が抜け過ぎていて、パサパサしている場合もあるんだよね。あのタイプは中華スープがないと食えないよね。

:ああいう超絶パラパラも悪くはないけど、俺は、ここのチャーハンのように口に入れた瞬間 “しっとりふっくら”していて、口の中で、パラパラになるチャーハンの方が好きだなぁ。

良太:確かにこういう“しっとりパラパラ”は相当なテクニックがいると思う。ここのご主人は本格中国料理の『上海酒家』や『後楽飯店』で修業して1974年に開業したってHPに書いてあるよ。どっちも超高級店みたい。

 なんと最後に、ここのご主人が、かなり超高級中国料理店の料理人だったことがわかりました。そういえば、良太のお父さんが「徳大は、ラーメン、餃子も、街中華とは思えないほどうまいぞ」って言ってました。名店の味が街中華で気軽に食べられる、と考えれば、チャーハン1,000円前後でも高くないんだなと納得。『中華徳大』さんは間違いなく僕らの三つ星店になりました。

 次は、ラーメンや餃子、定食なども食べてみたいと思います。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

中華徳大 提灯

店名:中華徳大

住:東京都杉並区荻窪5-13-6
TEL:03-3393-2082
営:11:30~13:30
  17:30~20:45(土17:00~)
休:日・祝
http://hw001.spaaqs.ne.jp/t-ao-ogi/tokudaiindex.htm