酒場放浪記にも登場!名居酒屋『車屋』の大玉子焼きはなぜ旨い?【盛り場の三ツ星ごはん】

伝承の「大玉子焼き」と珠玉の限定「鯖の一本寿し」【東京“盛り場”の変わらぬ一皿】
食楽web

●根津の横丁に佇む居酒屋『車屋』で味わえる、大女将伝承の玉子焼きとご主人考案の鯖寿しの魅力をご紹介します。

 東京の下町風情を楽しむ観光エリアのひとつ「谷根千」。寺町の谷中、屋敷町の千駄木、そして根津神社の門前町・根津と、それぞれ街の特徴には違いがあります。

 根津は江戸時代には神社への参拝客はもとより武家屋敷に出入りする職人たちの街として栄え、明治以降はそれに加えて「本郷の東大」と「上野の芸大」に挟まれた場所になった為、学者や学生達でも賑う街になりました。

 今では新しいカフェやパン屋などの新しいお店が並ぶ根津の横丁・片町通りですが、昭和の終わり頃までは八百屋、魚屋、肉屋などの小売店や銭湯があった下町の商店街だったといいます。

1978(昭和53)年創業。横丁の居酒屋『車屋』

 この根津の横丁・片町通りに料理が美味しいと地方からも毎年訪れる常連客がいる居酒屋『車屋』があります。

 1978(昭和53)年、現在のご主人・柳井一成さんが13歳の時に、お祖母さんが女将さんとして現在の場所で創業。元は商店街の鶏卵販売店だった店舗の1階2階を改装してはじめたお店は個人営業の居酒屋としては“大箱”で、ちょっとした街の話題だったそうです。

 お店の正面向いは銭湯、並びには八百屋、魚屋、肉屋などの個人商店があり所謂“下町の商店街”で、お客さんも近所に住む人たちが常連客の居酒屋。当時から人気だったのがビックサイズのこの玉子焼き。

大女将伝承の美味「大玉子焼き」

 お店にあるグランドメニューは基本的に創業以来ある“大女将の味”。

 特に「大玉子焼き」は卵をたっぷり使い出汁の滋味が溢れる逸品として開店当初からの人気メニュー。常連客はじめお店を訪れた著名人にもファンが多い美味しさを伝承する変わらぬ一皿です。