「VIVANT」でも登場した羊肉の特大揚げ餃子に、みんな大好き焼きうどん!

編集部 : 料理を解説してくれるのは店主のアリオンバヤル・ウヌルジャラガラさんです。アリオンバヤルさんも元力士ですよね。
店主さん : はい、元力士で四股名は白馬でした。魁の少し先輩です。引退した後は、母がやっていたこの料理店を引き継ぎました。

編集部 : この料理はピロシキのような感じですね。
店主さん: これは「グリーン・ホーショール」という料理で、中に羊のひき肉を入れ揚げたものです。日本でいえば「ホーショール」は揚げ餃子(野菜も入れているので、グリーン)。モンゴルではとても人気の料理で、どこへ行っても食べられます。
編集部 : お二人もよく食べられるのですか?
バトトゥシグさん : よく食べているから、こんなんなっちゃったんですよ(笑)。でも羊肉だしヘルシーなんですよ。
店主さん : モンゴルでは肉は手で切る場合もあるし、機械でも荒くカットして、肉汁をたっぷり楽しめる料理です。うちは粗挽きで、シンプルな塩味です。

アリオンバヤルさん : これはモンゴルの焼きうどんで、「ツォイヴァン」という料理です。モンゴルの男性が大好きな料理で、羊の肉と手打ちのうどんです。野菜はにんじん、ピーマン、パプリカ。モンゴルでは野菜はその家々でそれぞれ違うものを入れます。
店主さん: この料理の味付には、「羊の塩茹で肉のスープ」の出汁を使い、モンゴルの岩塩で味付けをしています。
ミルクティーは塩味? モンゴルのごちそうを味わう

編集部: 次は「バンシタイ ツァイ」という料理です。
店主さん: これは羊肉の水餃子をミルクティーで煮た塩味のスープで、ごはんが入っています。
編集部 : 珍しいですよね! 日本ではミルクティーは甘い飲み物です。
店主さん : モンゴルでは、よくミルクティーを飲みますが、甘くないんです。だから料理にも合わせやすく、これは塩味になっています。逆に日本に来て、ミルクティーを飲んだ時に甘かったので、びっくりしました。(笑)
バトトゥシグさん、サラさん : そうそう、びっくりした!
バトトゥシグさん : 羊の脂が乗ったミルクティーが美味いんですよ~。牛乳でコーティングされるので、これを食べると二日酔いにもならないんですよ。

編集部 : 最後は「チャンサン・マハ」という料理です。
店主さん : モンゴルのおもてなし料理の、「羊の塩茹で肉」です。これは毎日食べるような料理ではなく、来客があったときに、新鮮な羊料理でもてなすというものです。普段はほとんど食べない料理で、特別な日に食べる料理です。
編集部 : ソースがついていますが、これはなんですか?
店主さん : モンゴルの岩塩で塩漬けにしたニラに、茹でた出汁を入れたものです。羊は塩味がついていますが、足りなければこれをかけて食べます。
編集部 : これはどのようにして食べるんですか?
バトトゥシグさん : お父さんが切ってあげるんですよ。1枚1枚カットしてみんなに配ります。女性はやらないですね。

店主さん: 後は子供たちがガブっと食べていますね。
サラさん : 骨つきの肉を手で持って食べるのは、漢方から見ても指先に温度を感じると、血の巡りが良くなると言われています。他にも羊の丸焼きに使う石とかも同じ効果がありますね。
バトトゥシグさん :これは伝統的な料理でみんな大好きな特別な料理です。モンゴルを代表するごちそうなので、ぜひ食べてみてください!
初めてのモンゴル料理はどれも美味しく大満足。大地の恵みの素材を生かし、ひとつひとつ丁寧に作られた料理が印象的でした。ミネラルをたっぷりと含んだ岩塩での味付けはとってもやさしく、心までも温まるような、そんな料理にほっこり。いつかモンゴルへ行って、現地の料理を食べたいと思いました。近くに行ったらぜひ! 予約必須の人気店ですが、本場の味を体験してみてください。
●SHOP INFO
店名:モンゴル料理ウランバートル
住:東京都墨田区両国3-22-11-2F
TEL:03-6411-4298
営: 11:30~14:30 (L.O.14:00)、17:30~22:00(L.O.21:30)
休:年中無休
https://ulaanbaatar-ryogoku.com
協力:モンゴル観光協会日本委員会 日本プロモーター ㈱ジャパン・エア・トラベル・マーケティング
本場モンゴル料理が食べれる各種ツアーはこちら!
https://www.jatm.co.jp/tour/
●出演者プロフィール
ヤガーンバートル・バトトゥシグさん
モンゴル・ウランバートル出身。芝田山部屋所属の元力士で四股名は「魁 猛(さきがけ たけし)」。最高位は十両十枚目、令和4年3月場所で引退。現在は日本大学経済学部に通いながら、会社を経営。スマホでカードにタッチするだけで情報が読み込める「デジタル名刺」の促進をしている。会社紹介:TNFC(https://tandss-llc.com/company/)
トゥムルフヤグ サランザヤさん(サラさん・モンゴル伝統医療研究者、モンゴルで医師)
モンゴルで医師を務め、現在は日本の貿易会社に勤務。日本とモンゴルの架け橋になるべく、文化や医療などさまざまなことを勉強中。
●著者プロフィール
矢巻美穂(やまき・みほ)
国内外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマンで、撮影から執筆・編集作業まで行う。単著としてネパール、台湾、ウズベキスタン、韓国、ウラジオストクなどのフォトガイドブックを執筆。近著は『東京で台湾さんぽ』(イカロス出版)。また、YouTubeで「旅ちゃんねる MinMin Tour」をオープン。これまで取材に行って、本当に美味しかった店や行ってよかった人気スポットを紹介。