最強に幅広なご当地うどん! 群馬のソウルフード「鬼ひも川」を食べてきた!

最強に幅広なご当地うどん! 群馬のソウルフード「鬼ひも川」を食べてきた!
食楽web

●群馬のご当地幅広麺「ひもかわうどん」の中でも特に幅が広い約5cmのうどん「鬼ひも川」。名店『花山うどん』でいただく!

 小麦粉文化が根付く群馬県。ご当地幅広麺として「ひもかわうどん」が有名ですが、中でも特に幅が広いという「鬼ひも川」という麺があります。その幅約5cm。大人の口にギリギリ入るサイズのようにも思いますが、これが一度食べるとクセになりヤメられなくなるそうです。

 今回は、この「鬼ひも川」が人気の群馬の『花山うどん』に出向き実食。その味と秘密に迫ります!

たぬきの器に乗った「鬼ひも川」使用の「鬼釜」

『花山うどん』の「鬼釜」1200円(税込)
『花山うどん』の「鬼釜」1200円(税込)

『花山うどん』は、群馬のうどんの名店として知られ、複数の店舗を展開していますが、筆者が向かったのは伊香保石段店。うどんを中心に、群馬に根付く逸品料理や甘味、さらにはうどんを中心とした御膳料理までを展開しています。メニューの多くは、麺を「ひも川」「鬼ひも川」いずれかから選ぶことができ、筆者は迷わず「鬼ひも川限定」のうどん「鬼釜」をオーダーしました。

 ほどなくしてサーブされたのは、たぬきの器に入った「鬼釜」。プリプリの「鬼ひも川」の周りに群馬県産麦豚、かまぼこ、ねぎ、卵、海苔が乗っています。一瞬「どこから食べるべきか?」戸惑う筆者でしたが、その傍らに置かれた「鬼ひも川の美味しい食べ方」によると、次のような順でいただくと良いとありました。

「鬼ひも川の美味しい食べ方」1・2・3

「美味しい食べ方」その1「何もつけずにいただく」
「美味しい食べ方」その1「何もつけずにいただく」

 まず、「美味しい食べ方」その1は、「鬼ひも川」を何もつけずにいただくそうです。群馬県産の小麦の甘味を味わうべく、このようにするのだそうです。幅約5cmの「鬼ひも川」を箸で持ち上げるのには、少々のコツが要りますが、慣れれば簡単。何もつけずに口にしてみると、確かにえぐみなどいっさいない高品質の小麦の風味が口いっぱいに広がりました。喉ごしも良く、どこか瑞々しい印象を受けました。

「美味しい食べ方」その2「出汁醤油・具材と絡めていただく」
「美味しい食べ方」その2「出汁醤油・具材と絡めていただく」

 そして、「美味しい食べ方」その2は、出汁醤油・具材を下からよくかき混ぜて「鬼ひも川」をいただくというもの。「鬼ひも川」と具材が絡み合うことで、より美味しく楽しむことができましたが、ここで驚いたのが具材のクオリティ。特に群馬県産麦豚は、「鬼ひも川」によく合う繊細な味わいで、「群馬の味」の奥深さを痛感しました。

「美味しい食べ方」その3「わさびを入れていただく」
「美味しい食べ方」その3「わさびを入れていただく」

 そして、「美味しい食べ方」その3は、器の中の「鬼ひも川」「具材」が半分ほど減ったところでいただく食べ方。本わさびを加えて、さらに混ぜていただくというもの。ここで再び「鬼ひも川」のモチモチ感、小麦の風味が立ち上がり、さっぱりといただくことができました。

「鬼ひも川」は129年の歴史を持つ『花山うどん』の二代目が考案

『花山うどん 伊香保石段店』(食楽web)
『花山うどん 伊香保石段店』(食楽web)

「鬼ひも川」を使った「鬼釜」は、想像以上のインパクトと美味しさでしたが、聞けば、これまでにうどん日本一を決める大会「うどん天下一決戦」で15万人に選ばれ、3年連続で優勝した一品とのこと。そして、この「鬼ひも川」は129年の歴史を持つ『花山うどん』二代目の橋田藤吉さんが大正時代に考案したもので、とても歴史深いものでもあると言います。

「当社は1894(明治27)年に創業した群馬県館林市のうどん製麺メーカーです。群馬県館林市は良質な小麦の名産地・製麺に適した自然環境が整う、うどんの名産地で、江戸時代にはすでに館林藩から幕府へうどんが献上されていたことも記録に残っています。

 1900(明治33)年には館林製粉株式会社(現 日清製粉株式会社)が設立され、館林の製麺業はますます発展しました。その中で当社も創業以来129年、地域の方々に支えられ今日まで歩み、群馬県のうどんづくりの発展に貢献しています。この歴史の中で、大正時代に二代目の橋田藤吉が考案したのが『鬼ひも川』で、のちの看板商品になりました。

 現在、『花山うどん』は五代目となりますが、『鬼ひも川』を使った『鬼釜』をご提供する店舗は、群馬県内に2店舗、東京に3店舗となっています。幅5cmのモチモチ幅広麺『鬼ひも川』と、ダシの効いた『釜玉専用つゆ』、甘辛く煮込んだ群馬県産麦豚と半熟たまごの旨みが絡まる逸品、それが『鬼釜』です。モチモチ感と旨みを楽しめる『当店最高の組合せ』をご堪能ください」(『花山うどん』担当者)

●まとめ:幅約5cmの「鬼ひも川」は、うどん県・群馬に古くから製麺を行っていた『花山うどん』が考案し、全国にその味を知らしめた絶品うどんだった!

 群馬に根付いたうどん文化を支え、製麺に従事した『花山うどん』が考案した「鬼ひも川」は唯一無二のビジュアルである一方、モチモチしている一方で瑞々しいという絶品うどんでした。噛み締めると、その味わいと合わせて、群馬のうどん文化・食文化も強く感じることができるかも? ぜひ一度『花山うどん』で食べてみてくださいね。

(撮影・文◎松田義人)

●SHOP INFO

店名:花山うどん 伊香保石段店

住:群馬県渋川市伊香保町伊香保20(石段街263段目)
TEL:0279-26-8066
営:食事11:00~15:30、買い物11:00~17:00
休:火曜