検定合格者しか作ることを許されない絶品「炒飯」
さて、『清六家』では、「炒飯」だけを食べにくるお客さんも多いのです。その理由は、独自の「炒飯検定」によるクオリティーの底上げにあります。
検定に合格した料理人しか炒飯を提供できない決まりになっていて、お気に入りの店舗を決めている人も少なくないそう。ご飯や具の量、味付けが一緒でも作り手によって味がバラつくため、実は極めれば極めるほどに難しい料理なのだとか。

今回は特別に、炒飯検定の審査を務める営業部部長の卜部貴道さんに作っていただきました。長年、中華の料理人を務めた経験から、『清六家』スタッフから「もう二度と他の炒飯は食べられない」と評価を受ける達人です。(残念ながら通常、厨房にお立ちになることはありません)

口に入れた瞬間にほろっと米粒がほどけ、まるで米と米の間に空気を含んでいるかのよう。パラパラとしっとり感のバランスが素晴らしいです。炒飯に欲しいガツンとくる旨みはあっても、後味の油っぽさやしつこさは全くありません。だからレンゲが進む、進む。アッツアツでいつまでも冷めにくいのもポイントで、これも達人の証なのだそうです。
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さらに驚いたのが、玉子の存在。炒飯に欠かせない玉子、普段何気なく口に入れていますよね? 実は達人が作ると、黄金のツヤが見た目にも美しく、卵本来の甘さと香りが広がります。炒飯に入っている玉子ってこんなにおいしかった!? と驚くほど。卵は真っ先に中華鍋に入れているはずなのに、ふっくらしていて、くちどけバツグンなのです。
『清六家』全店舗の「炒飯」巡礼。個人的には全制覇したくなるほど興味深く感じました。
調査結果
「冷やし担々麺」は、人気投票の結果によってはグランドメニューの仲間入りをするそうです。「炒飯」のレベルも相当高く、徹底したこだわりが大手にはない魅力を生んでいます。
(撮影・文◎亀井亜衣子)