伊吹いりこがガツンと効いたおつゆに感動!

入店すると、2台の券売機があります。ジャンルは、(1)セット・おすすめ、(2)冷たいうどん、(3)温かいうどん。最初にここで食べるものを決めます。シンプルな「かけうどん」は(温冷ともに)360円。なんとも嬉しい価格ですね! 筆者は、とり天好きなので、「とり天かけどん」(620円)をチョイス。
前の人に倣って、買った券をお店の方に渡し、うどんが出来上がるまで待機。カウンター内を眺めていると、スタッフ間の連携のスゴさがよくわかります。うどんを茹でる人、天ぷらを揚げる人、丼につゆを入れる人…絶妙な連携プレーに感動しつつ、自分が頼んだうどんの完成を待つ、ワクワクタイムです。

前のお客さんを見ていると、青ネギ、天かす、おろし生姜といった薬味をうどんにガッツリ入れています。また、寸胴に“素揚げしたいりこ”が大量に入っていて、これも自由にトッピング可能。これはイイ!

いよいよ筆者の「とり天かけうどん」の番です。タイマーできっちり茹で上げたうどんは冷水でしめ、さらに手で絞るように水気を切ってから丼へ移されます。そこに揚げたての大きなとり天を3つがドドンと入り、お玉でかけ出汁がスーっとかけられた後、目の前のトレーに着丼!

ふわりと立ち昇るいりこ出汁の香気に包まれながら、無料の薬味をトッピングしていきます。無料と聞くとついたくさん入れてしまう貧乏性なので、青ネギ、おろし生姜をドサドサと大量投入。さらに、せっかくなので素揚げのいりこもふりかけて完成です!

カウンターに移動して、いざいただきます! まずはレンゲで黄金色のおつゆを飲んでみると、いりこの風味がガツンと来ます。「おおっ」と思わず言葉が口を突いて出るような鮮烈さです。
香川県伊吹島で穫れる「伊吹いりこ(カタクチイワシ)」は漁から加工までのスピードが早く、その鮮度感がコクと旨味を引き上げると言われていますが、確かにびっくりするほど濃厚なコクと力強い旨味を感じます。以前、香川で初めて食べた讃岐うどんの感動に近い!

続いてうどんを。持ち上げてみると重量感があり、ふわっとした口当たり。つるつるっとすすると、跳ねるように1本1本がみずみずしく、噛みしめるとムチッとした弾力です。これこそが讃岐うどんのコシというヤツですね。いやー、旨いっ!

そして“とり天”好きとして嬉しいのが、「とり天かけどん」には巨大なとり天がデフォルトで3つも入っていること! このとり天、衣がカラッとしていて、中のお肉がやわらかくてものすごくジューシー。大きくて一口では食べきれない分、何度も噛んで味わえるのも幸せ!

無心で食べ続けていると、時間が経つにつれ、とり天がいりこ出しのおつゆを吸って、衣がクタクタになってきます。これがまた、めちゃくちゃ美味しいのです。

そうそう、大事なことを忘れていましたが、最初に“いりこの素揚げ”をトッピングしましたが、あれは絶対入れたほうがいいです! 美味しいのはもちろん、最後までカリカリ食感を保ち続けるので、おつゆを飲み干すときにも良いアクセントになるんです。
こうして最後の1敵まで美味しくて、大満足。次は何を食べようかなと、店先のメニューを改めてじっくり眺めて余韻に浸ります。去りがたいほど美味しかった…。

帰宅後、あらためて『いぶきうどん』について調べてみると、なんとあの『丸亀製麺』と同じ会社が経営しているとの情報が。意外すぎる…。しかし、筆者は、正直言って『いぶきうどん』の方が、いりこのパンチが強めで、断然好み。
というわけで、最近はうどんが食べたいときはわざわざ吉祥寺の『いぶきうどん』に通っています。ぜひ、皆さんも吉祥寺に行ったら寄ってみてください。美味しいですよ!
(撮影・文◎土原亜子)