透かして新聞が読めるほどの極薄ワンタンに衝撃

店の席数は20席ほどですが、満席です。筆者も着席して周りを見渡すと、誰もが美味しそうにワンタンメンをすすっています。いやー、何ともイイ雰囲気!
カウンターの壁に貼られたお店とラーメンについての説明書きによれば、名物「ワンタンメン」は、山形地鶏、トビウオ(アゴ)数種の煮干し、昆布、野菜で丁寧に出汁をとって作るスープで、麺は自家製麺。こだわりのワンタンは、“新聞を透かして読めるほど極薄生地が特徴”とのこと。一体どんだけスケスケなんだ! 期待が膨らんできました。
そして待つことしばし。注文した「スタミナワンタンメン」が登場!

着丼するやいなや、ゴマラー油の芳香がふわりと香り、さっそく食欲がマックスに。お目当ての極薄ワンタンはこの時点では底に沈んでいて見えません。ワクワクしつつ、すぐにレンゲで噂のワンタンをすくい上げてみると…

持ち上がったワンタンは、ツルツル&キラッキラ。まるで宝石のような輝きを放っています。レンゲを通してですら、そのなめらかさと繊細さが伝わってくるのがスゴい! 気を抜くとつるりとレンゲから滑り落ちていくので、逃さないよう注意しつつワンタンを口の中へ。
言葉にするなら、ツルツル、プルルンッという感じでしょうか。まるでシルクのようななめらかさ。原料は小麦粉、塩、水、カンスイのみだそうで、何段階にも分けて極薄に延ばし、さらに冷凍庫で熟成させて作るそうです。噛むというより、溶けるような食感。口中で儚く消えていくワンタン。中には豚肉とチャーシューの細切れをミックスした特製の肉団子が入っていて、これまた美味。やわらかな旨味が舌に残ります。うーん、旨し!

そして自家製麺。こちらもまた非常に美味しい。プリップリの口当たりで非常にシルキー。旨味たっぷりのスープとゴマラー油を過不足なく持ち上げてくれます。美味しすぎる! スープもコクがあるのにさっぱりしていて、ものすごく食べやすい。ワンタンが入っているのでけっこうボリューミーですが、ペロリと完食してしまいました。
というわけで、地元のみなさんがおすすめしてくれた三鷹の『ワンタンメン満月』は確かに激ウマでした。みなさんもぜひ一度訪れてみてください。山形・酒田のラーメンの美味しさに感動必至ですよ。
(撮影・文◎土原亜子)