果たして「ほんこん飯」とはどんな料理なのか?

いざ店に入ると、平日だというのにほぼ満席状態、大盛況です。着席してメニューを広げてみます。炒めものなどの一品料理から、ラーメン・タンメンなどの麺類、そして丼ものなど、かなり品数が多い。そしてお目当ての「ほんこん飯」は“丼物”のページにしっかり載っていました。

「ほんこん飯ください!」と店員さんに告げると、ほかのテーブルからも「ほんこん飯2つ!」という声が上がりました。どうやらかなりの人気メニューのようです。店員さんは「ハーイ! ほんこん飯3!」と厨房に伝えています。
その厨房からは中華鍋を振って炒めものを作るリズミカルな音が聞こえてきます。待つこと数分。待ちに待ったほんこん飯が味噌汁とともに登場しました。

ご飯の上に野菜と肉の炒めものがぶっかけられており、さらにトップに目玉焼きがのっています。まずは目玉焼きをずらし、スプーンで肉と野菜をすくってみます。確認できるのは豚肉、白菜、小松菜、そしてキャベツも少し入っているようです。
口に運ぶと、まずニンニクの香り、そしてピリッとした豆板醤の刺激が。しかし辛いわけではなく、しばらくすると甜麺醤の甘味を感じるマイルドなコクがじんわり口に広がります。回鍋肉(ホイコーロー)に似ていますが、それともどこか違う、独特の味わいです。

柔らかい豚肉とシャキシャキの野菜のコントラストが絶妙で、かつしっかりした味付け。これはかなりご飯が進みます! 味自体はオーソドックスな雰囲気ですが、「うん、コレコレ」と思えるような、安心感と信頼感のある美味しさ。人気があるのもうなずけますね。
最後に目玉焼きの黄身の部分を破ると、トロ~リと半熟の黄身が流れ出し、それが豚肉や野菜をコーティングしてくれて、よりコク深くまろやかに味変ができます。うっ、旨い! あっという間に完食しましたが、けっこうなボリューム。お腹いっぱいになりました。さすが学生の街・高田馬場…!

あとで調べてみたら、どうやらこの「ほんこん飯」、香港のタクシー運転手さんが仕事の合間に急いで食べるぶっかけご飯を再現した丼ぶりとのこと。だからこのネーミングなんですね。ほかではなかなか見かけない「ほんこん飯」、高田馬場に行く機会があったら、ぜひ一度食べてみてください。
(取材・文◎ペコ太郎)