このボリュームで800円!「カツカレー(大盛)」1452g

席についてほぼ数分、あっという間に目の前にやってきたのは、大鉢にたっぷりと盛り付けられた「カツカレー」。早速計測です。
「カツカレー」は直径25cmの器で重さは1452g(器の重さを除く)。サラダや味噌汁(この日はかきたま汁)などをプラスすると、ほぼ1.7kg。カツも立派だけれど、ジャガイモのゴロゴロ感がすごい。そしてトロットロです。
早速一口。確かに辛い! 辛旨っ! スパイス系というより、コショウがバシッときいた味で、ごはんがぐいぐい進みます。サラダや味噌汁などで途中口の中をリセットしないと、ビリビリくる辛さが口の中を侵食していく感じ。旨い、でも辛い、そしてまた旨い、を繰り返していく感じです。

「うちのカレーは辛いでしょ? だから卓上にあるソースをかけると、辛みが少し抜けるの。辛いのに弱い常連さんがね、辛すぎるって睨みつけてくることもあるのよ~」と明るく話す女将さん。思わず睨みつけたくなるくらい辛さは、唐辛子やスパイスじゃなくて、コショウ(推定)のビリビリっと来る辛さのような気がします。
「カレーのルーはポークカレーがベースですね。ご飯は大体10kgの量を炊いています。うちのカレーはジャガイモが大きくゴロゴロとしているのが特徴なんですよ」と話すのは、女将の甥っ子さんで、共に店を切り盛りしている田中勝明さん。コロナ前はもっと食べにくる人が多かったそうですが、ここ2~3年は60食前後を出しているとのこと。「夜のお客さんがね、このカレーの残りを楽しみに店にくるの。残っている分だからね、サービスで」。と話す女将さん。この辛さは、ビールやハイボールに合う気がします。

最初はそのまま味わって辛味を楽しんでいたのですが、途中から汗がブワッと出てきて舌がビリビリに。卓上のソースをちょっと垂らしてみると、確かに辛さが和らぎます。ほんのちょっとまろやかさが出てくる感じ? 辛さ効果で水も結構飲みながら食べちゃうので、お腹の中はトータル2kgぐらいになっていると思う。
「うちのカレーは辛いけれど、ジャガイモやタマネギが全部で10kg入っているので、甘味もしっかりあるからね」と女将。ちなみに、オープンしたての時間が一番辛くて、時間が経つごとに辛さが控えめになっていくとのこと。おそらくですが、ジャガイモや玉ねぎが溶け込んで、野菜の甘さが強くなってくるからだと思われます。

ちなみに、大盛を頼む人は多い時で10人ほどだそう。「最近はね、ここのカレーで太っちゃったから、量を減らしてくれっていう常連さんもいるのよ」とカラカラ笑いながら話す女将。とはいえ、大盛で約1.5kg。なので当然普通盛は他の店の大盛ボリュームです。小盛で一般的なカレーチェーン店の並盛サイズ。初めて食べに行った際は、まずは小盛か普通盛から注文するのがおすすめです。
そして質問。なぜ毎週金曜日はカレーになったんですか?「え~っと、なんでだろう。海軍カレーみたいな感じ? 仕事終わりの金曜だからカレーですね」と田中さん。そもそも、曜日ごとに出すものが決まっていて、月曜は肉料理、火曜は魚料理、水曜は揚げ物やハンバーグ、木曜は火曜と違う魚料理、そして金曜日はカレーになっているそうです。他の曜日もすっごく気になる!

昔は大盛を頼む人も多くいたけれど、最近はテレワークの影響で会社に来ていない人や、外食を控える人も多いから、食べに来る人が減って寂しいのよ~、と話す女将。それでも、開店前にお客さんが待っているってすごいことです。品川や蒲田ではなく、青物横丁で行列のできる飲食店、中々ないと思います。
金曜日、しかもランチタイムしか注文できない、ジャガイモゴロゴロで辛さビシッとの大盛カレー。なくなり次第終了なので、ちょっと早めに食べにいくのがオススメです。800円で味噌汁やサラダもついて1.5kg。地元の人はもちろん、遠くからも通う人がいるというのも納得の美味しさでした!
(取材・文◎いしざわりかこ)