中国の街角や屋台街で頻繁に見かけるグルメの一つが「羊肉串」です。羊をぶつ切りにし、クミンや唐辛子などのスパイスをふりかけて焼いた串焼きで、中国の“路上のソウルフード”と言ってもいいかもしれません。
筆者は20年ほど前に北京に留学していたのですが、当時は路地裏の屋台に質素なロースターが置いてあり、炭火であぶった肉汁したたる羊肉串をぬるいビールとともに食べる…そんなイメージでした。
しかし! そんなイメージも今は昔。現代中国では、この羊肉串にもニューウェーブの串焼き専門店が登場して人気を博しています。その名も『羊不同カオ小串(カオは火へんに考/以下同じ)』。発音は“ヤン・ブ・ドン・カオ・シャオチュアン”。「羊不同」を無理やり日本語にすると、「羊が違うぜ!」というような感じでしょうか。名前からしてすんごいインパクト。
中国の東北地方を中心に、かなりの数の店舗を展開している串焼きチェーンで、本店は中国の東北地方・吉林省延辺市にあります。つまり、こちらは延辺風の串焼き専門店なのです。
そんなお店が、とうとう日本上陸を果たしました。場所は東京・御徒町。写真のとおり、謎にポップでサイバーな店内、そしてギラギラのネオンと看板。2020年代の今の中国っぽさ全開で、まさに“近未来の羊肉串”といった雰囲気です。というわけで今回は、こちらに突撃して串焼きをさんざん堪能してきたので、その全貌をレポートしましょう。