鳥取で予約必須の超個性派カレー店『カジカリー』の絶品カレーを食べに行ってきた!

鳥取で予約必須の超個性派カレー店『カジカリー』の絶品カレーを食べに行ってきた!
食楽web

 高級寿司、高級フランス料理、高級クラブなどでは「完全予約制」などがよくありますが、カレー屋さんで同様の営業を行うお店は全国的に見てもかなり少ないと思います。さらに「1日30食限定」「曜日限定」「昼のみ営業(11時~/12時~/13時~の3部制)」と、さらなる限定感を打ち出した、全国的に見ても「ここしかないのではないか」と思える限定的カレー店を鳥取で見つけました。

 その名も『カジカリー』。地元はもちろん、他県からもこの店のカレーを目当てに訪れる人がいるそうで、2020年夏のオープン以来、カレーファン注目の店となっているようです。このある意味「挑戦的」とも思える営業形態、そしてその味がどうしても気になり、東京から鳥取まで食べに行ってみることにしました。

まるでコース料理をいただくかのような、過不足のない丁寧な説明

「カジカリー」店主・梶川哲秀さん
「カジカリー」店主・梶川哲秀さん

 JR鳥取駅から約300メートルと徒歩圏内にある『カジカリー』は、古いテナントを改装した、あえての無骨なオシャレな外観です。あらかじめ予約した時間通りに入店すると、柔和な笑顔で紳士的ではあるものの、強いこだわりがありそうな面持ちの店主・梶川哲秀さんがお出迎え。レディーファーストとして、同じ時間に予約している女性客を優先的にカウンターへの着席を促し、その後筆者も梶川さんに言われるがまま着席することになりました。皆が座ったところで、梶川さんからのご挨拶を受けます。

「本日はお越しいただきまして、ありがとうございます。当店では完全予約制のカレー屋としてやらせていただいています。『季節限定メニュー』をご提供させていただいており、だいたい今の時期1ヶ月半~2ヶ月くらいの旬の食材を変えながら、カレーにして提供させていただいております」(カジカリー店主・梶川さん)

 過不足なく、かなり丁寧な接客対応は大衆メニューであるカレーを扱う店とは思えないほどですが、店内にはいかにもうまそうなスパイシーな香りが漂います。筆者は「カジランカリー」という「レッドカリー」、「イエローカリー」の2種盛りをオーダー。梶川さんの解説の通り、このカレーは季節で変わる期間限定のもので、取材時は2種盛りで1790円。そのときどきで値段は変わるようです。

調理中も客を楽しませるように様々な話をしてくれる梶川さん
調理中も客を楽しませるように様々な話をしてくれる梶川さん

 カレーの内容は季節によって異なるようですが、取材時の「レッドカリー」には生キクラゲを使ったもの。「イエローカリー」は、鳥のキーマとなっているもの。さらにスパイス角煮というホロホロのお肉と合わせていただくようですが、そこにそえられるご飯がこれまた意外なものでした。

「本日はすだちご飯に合わせてお召し上がりいただきます。すだちご飯とは、すだちの名産地・徳島では、すだちをみじん切りにし、炊き上げたご飯に濃い口醤油と鰹節を一緒に混ぜ合わせて食べることが多いです。このすだちご飯の酸味・爽やかさが、当店のスパイスカレーとの相性が良く、また当店のルーツとなるスリランカカレーでも『ライムを絞って食べる』といういただき方をしますので、これにならってすだちご飯にさせていただきました」(カジカリー店主・梶川さん)

 これらのカレーをいただく際の「お皿」は、厨房奥に飾られた地元の民藝作家さんによる複数の高級皿の中から客が指定したものに盛り付けてくれるとのこと。ここまでの梶川さんの挨拶・解説と相まって、さながら体験型エンタテインメントのような雰囲気です。