行列店のパスタやスイーツもいいけれど、週1~2回のうどんチャージは欠かさない。そんな自他ともに認めるうどん好きアラサーOLのうどん店訪問記。
モチモチのうどんをガブッと! ひもかわうどんは一度食べたらやみつきになる食感
モチッとした食感と、噛むとわかる小麦感。手打ちらしいまばらな太さと、うねったフォルム。つゆをまとったうどんのツヤとみずみずしさ。携帯で撮った写真を見ているだけでお腹が鳴りそう。あぁまた食べたい。これをきっと“田舎っぺロス”と呼ぶのでしょう。
お天気のいい土曜の11時。そしてここは埼玉県上尾市。週末は家でのんびり過ごすことが多いけど、今日は電車に揺られて来ちゃいました。北上尾駅から歩くこと約7分。すべては“武蔵野うどん”の“ひもかわうどん”を食べるため! “武蔵野うどん”は太くてコシが強く、曲がりくねったとってもワイルドなうどん。茹でたてを流水で締め、アツアツの“つけ汁”につけていただきます。一方の“ひもかわうどん”は、もともとは群馬県桐生地域のうどん。一般的なうどんより平らで、太いものだと幅10cm近くになるものもあるそう。どちらも特徴的なうどんですが、なんと埼玉県で展開している「元祖田舎っぺ」では両方食べられるんです! これは欲張りな私にぴったり!
11時のオープンとほぼ同時に入店したのですが、すでに40席ほどある席の半分が埋まっているほどの人気ぶり。客層も、小さい子どもを連れた若い夫婦もいれば、友達同士と思われるふたり組、おじいちゃんおばあちゃん夫婦まで老若男女さまざま。また、この日は週末ということもあってか、家族連れが目立ちます。店内は椅子とテーブルの席のほか、お座敷席もあって地元の人たちの台所なんだろうな、と思わせるほっこりした雰囲気です。
メニューはつけ汁とうどんの量をそれぞれ選ぶスタイル。つけ汁は「なす汁」「肉ねぎ汁」「きの子汁」の温かいもの3種類と、冷たい「冷汁」の4種類から選べます。うどんの量は「もりうどん」~「3kgうどん」のなかから選んで注文。1kgだってびっくりなのに、3kgって想像もつかない量…。うどんは武蔵野うどんが基本なのでメニューに書かれていませんが、壁に貼ってあるメニューに「ひもかわ」の文字が! 裏メニューみたいでちょっとワクワク。
最初は「きの子汁」にしようと思っていましたが、“絶品”という言葉に惹かれて「なす汁(もりうどん 600円)」に。さらにうどんを「武蔵野うどん」から「ひもかわうどん」に変更しました。茹でたままのあたたかい“あつもり”と茹でたあと水で締めた冷たい“ひや”があるのですが、今回は“ひや”で。
さっそくうどんだけで食べてみると…想像以上にしっかり塩気があります。うどんのままパクパク食べられるくらい。このままでも十分美味!
そして「なす汁」につけていただきます。“ひや”だからでしょうか、一本ずつ箸でつかもうとしても何本もくっついてきちゃいます。もういいや! とまとめて持ちあげてつゆにくぐらせると、すぐにうどんがつゆに馴染んでちょうどいい塩梅に。モチモチ感は残しつつも、しっかりつゆと絡み、ツルッとした食感に。とはいえ、そこは“ひもかわ”、すすることはできません。ガブッとかぶりついてモグモグする感じ。具のなすも、ほどよく味がしみ込んでいて美味しい。あぁ幸せ。埼玉まで遠征してよかった。最後まで夢中になって食べちゃいました。
シメはうどんの茹で湯でつゆを割っていただきます。さっきまでのつけ汁が、ほっとする味へと変わります。お吸い物みたいで、これがまたいいんですよね。うどんの余韻に浸りながらつけ汁も完飲! なんと言ってもこのお値段でこのボリューム。これは行列ができるのも納得です。埼玉県民がうらやましい! でもこの“ひもかわうどん”、いわゆる桐生の“ひもかわ”ではなく、“武蔵野うどん”の“ひもかわ”なんじゃないかと思うんです。強い小麦感はそのままに、幅広に打ったという感じ。これはこれで、とっても“アリ”です! 営業時間が11:00~15:00と短いので、早めに行くことをオススメします。あぁ美味しかった。今度は武蔵野うどんを注文しようっと。ごちそうさまでした!
●SHOP INFO
店名:元祖田舎っぺ 北上尾店
住:埼玉県上尾市緑丘1-3-27
TEL:048-777-1747
営:11:00~15:00
休:年始元日、2日のみ
44席、駐車場13台
●著者プロフィール
取材・文/境みなみ
北関東出身、東京在住。ベンチャー系IT企業で営業から事務までやらされている現役アラサーOL。好みのタイプは讃岐うどん! なんだけど、なかなか聖地・香川に行けないのがもっかの悩み。でも、そんなうどん欲を満たしてくれる、早くて安くて美味しくて、ちょっと自慢したくなるお店は東京にもけっこうあるんです。そんな日本のソウルフード「うどん」に魅せられ、今週はどこに行こうと考えるのが一番の楽しみです。