行列店のパスタやスイーツもいいけれど、週1~2回のうどんチャージは欠かさない。そんな自他ともに認めるうどん好きアラサーOLのうどん店訪問記。
やわらか細麺がかえって新鮮! シンプルでやさしい味の宮崎うどん
最近は讃岐うどんのお店が目立ちますが、日本中の“ご当地うどん”が現地に行かずとも食べられるのも東京のいいところ。今回は全国各地の数ある“ご当地うどん”のなかから、宮崎うどんに注目!
讃岐や福岡ほど知名度は高くないけれど、宮崎もうどんが名物なんだそう。宮崎はお釜で茹でたゆであげのやわらかいうどんをつゆにつけて食べる「釜あげうどん」が名物。しかしうどんはもとより、その食べ方にも特徴が。なんと、残りのつゆと釜あげうどんの残り湯をあわせて蕎麦湯のようにしていただくのが宮崎流。お蕎麦屋さんでは蕎麦湯を欠かさずもらうくらい大好きなので、その存在を知ってからというものずっと気になっていたんです。ということで、今回は都内で宮崎に「うどん留学」を決行することにしました。では行ってきます!
今日は東京・江戸川橋にある宮崎うどんの店『はつとみ』へ。江戸川橋駅から徒歩3分の場所に佇むこちらのお店。一見、カフェ? と思ってしまうモダンな外観ですが、うどん屋さんです。こういうお店は女性ひとりでも入りやすい! 18時すぎの入店でしたが、すでに会社帰りとおぼしきお客さんがちらほら。20席ほどある店内は落ち着いた雰囲気で、カウンター席もあります。こちらのお店は夜の営業が17時からなので、フライングに注意しましょう。
メニューは「釜あげうどん」「もりうどん」「きつねうどん」から「野菜カレーうどん」「釜玉明太バターうどん」まで、うどんだけでも20種類前後という種類の多さ。もちろん迷うことなく、「釜あげうどん」(650円)を注文。
さっそく「釜あげうどん」とご対面! 大きな器に細めのうどんと、うどんを茹でたときの茹で湯、通称「うどん湯」。そしてつゆと、ねぎ、大根おろし。とってもシンプルで、見るからにやさしい感じ。讃岐うどんを力強いタフな女とするならば、こちらは透き通るような華奢なレディーといったところでしょうか。さっそくいただきます。
まずはうどんだけでパクリ。うどんそのものはやわらかく、さっぱりした食感。つゆにくぐらせると…おぉ。このうどん、甘く見ていました。細くてやわらかいんですが、塩気のあるつゆに負けていません。足ふみと手こね、寝かせを繰り返しているからなのでしょうか、うどんならではのコシがしっかりあります。そしてこのつゆ! 薄味に見えるけど、鰹節・昆布・干し椎茸からとっているだけあって、ダシの風味が強いです。ダシに加え、はじめは塩気も感じますが、あとからくるほのかな甘みがクセになる特徴的な味。やわらかいうどんと、しっかりダシのきいたつゆのバランスが絶妙です。おばあちゃんの家で食べるような、どこか懐かしい味がします。
そしてシメは、お待ちかねのうどん湯! うどん湯だけで飲んでみると、塩気もなく、さらっとしていてさっぱりした味。つぎにうどん湯でつゆを割っていただくと…あら不思議。ダシにしっかり味があるからでしょうか。薄まるというより、もう一品ついてきた汁物のような感覚でゴクゴクいけちゃいました。このために残しておいた薬味のネギと大根おろしをいれると、またひと味違った味わいに。う~ん、美味! あっという間につゆまで完食です。ひと口めのうどんから、つゆの最後のひと口までやさしい味。まさに“癒し系”のうどん!
今回は夜に行きましたが、ランチタイムにはうどんと野菜、ご飯がついた五目ご飯セットといったランチメニューもあるそう。うどん以外にもちょっとずつ食べられるなんて感激。今度はランチの時間に行こうっと。これにて都内うどん留学、完了! ごちそうさまでした!
●SHOP INFO
店名:はつとみ
住:東京都文京区関口1-48-5 イシダビル1階
TEL:03-3260-9234
営:ランチタイム 11:30~14:00
夜のお食事 17:00~22:15(ラストオーダー)
※麺、つゆが終了した時点で閉店
休:日曜日・祝日
●著者プロフィール
取材・文/境みなみ
北関東出身、東京在住。ベンチャー系IT企業で営業から事務までやらされている現役アラサーOL。好みのタイプは讃岐うどん! なんだけど、なかなか聖地・香川に行けないのがもっかの悩み。でも、そんなうどん欲を満たしてくれる、早くて安くて美味しくて、ちょっと自慢したくなるお店は東京にもけっこうあるんです。そんな日本のソウルフード「うどん」に魅せられ、今週はどこに行こうと考えるのが一番の楽しみです。