朝食はバスク地方のオムレツ「トルティージャ」

モーニングの看板メニューは、バスク地方の卵料理「トルティージャ」です。ホクホクしたジャガイモと卵の素朴な味なのですが、上にのっているバスク地方特有の野菜ソース「ピぺラード」が特徴的。
ソースの中には刻んだ生ハムやバスク産唐辛子も入っていて、爽やかな香りと旨みが口いっぱいに広がります。ほのかにガーリックが香るアリオリソースも加わり、朝からワインを1杯飲みたくなるような、大人の卵料理です。
ランチはバスク地方の家庭料理「アショア」

続いてお昼は、バスク地方の家庭料理「アショア」がオススメ。この「アショア」は挽肉をはじめ、野菜などの食材を細かく切って煮込む料理。戸谷シェフによれば、バスク地方の家庭やバルごとに、それぞれの味やレシピが存在するそうです。
そして『ヒキショウ』の「アショア」はといえば、鹿児島産のブランド鶏「さつま純然鶏」やトマト、オニオンソテーを無添加の鶏スープ、オレガノ、クミン、チリ、ターメリックなどの数種のスパイスを配合して煮込んでいるとのこと。
口にしてみると、複雑なスパイスとパクチーの香り、さらにバスク産青唐辛子の酢漬けが加わり、なんともエキゾチックで奥行きのある味わいで、これまたお酒が進みそう。ちなみに、ライスは鳥取県産のお米「日本晴」を鶏のスープでパラリと炊き上げたピラフ仕立てで、旨みたっぷりです。
夜はバスクのワインと料理を堪能

さて、夜はもちろんバルの定番であるタパス料理を始め、「ラムのグリル」や「牛ほほ肉の煮込み」といった本格的な肉料理もスタンバイしています。
そしてバルといえばなんといってもワインがなくては始まりませんよね。今回は、バスク地方のバルで多くのお客さんが注文するという微発泡白ワイン「チャコリ」をいただくことに。

「エスカンシアは、ソムリエのデキャンタージュのような意味合いを持ち、独特なスタイルで高い位置からワインを注ぎます。これによって、ワイン本来の香りが開くんですよ。チャコリなしにはバスクは語れない。そんなワインです」(戸谷シェフ)
そして、バスクバルの〆は、もちろんバスクチーズケーキ。こちらでは「バスクの塩」が付いてくるので、チーズケーキにひと振りすると、ワインにも合うおつまみに変身。最高です。

というわけで、朝から晩までバスクの料理やお酒が楽しみ尽くせるバルでした。こんなスタイルのお店、おそらく日本初なんじゃないでしょうか。海外旅行になかなか行けない今、ぜひ白金の『ヒキショウ』で、バスクの風を感じてみては?
(撮影・文◎土原亜子)