
池袋といえば、おしゃれな映え系カフェから、本場そのままの味のマニアックな中華料理、新しい店が続々オープンするラーメン店など、ものすごい数と種類の飲食店が密集する飲食店激戦区。
その中で、すっごくコシのあるうどんが山盛りで食べられる店があると聞き、向かったのは南池袋、東通りにある『武蔵野うどん うちたて家』。多摩~埼玉エリアのご当地手打ちうどん「武蔵野うどん」が味わえるお店です。

店には、「もりうどん」、「とろろうどん」、「きのこ汁うどん」など9種類のつけ汁うどんプラス鍋焼きうどんがあり、いずれも普通(400g)、大盛(500g)、特盛(600g)、2枚(800g)、1kg、5つのボリュームから選べます。そして、通常冷たいざるうどんですが、麺があたたかい「あつもり」にすることも可能。
今回は店一押しの「ピリ辛つくね汁うどん」の1kgで注文。カウンター席に座り、調理するところを眺めつつ、のんびり待ちます。

卓上に出てきたうどんは、1本の太さが約6~8mm四方。角がしっかり残っています。うどんは光沢があり、早く食べて~、と訴えてくるかのような美しさ。
早速計測。うどんは3枚合わせて1117g、ピリ辛つくね汁は532g(ともに器の重さを除く)。トータル1649g。あったかい汁じゃないので一気に伸びることはないとしても、うどんがツルツルピカピカのうちに味わいたい! ということで早速一口!

まずは数本を箸ですくい、一気にすすると、口の中がうどんでいっぱいに。そこから何度も噛まないと飲み込めない! でも、噛めば噛むほど旨みが口の中いっぱいに広がっていきます。美味しい~。もちもち、ムチムチが楽しい~。
「最初は麺だけで味わうのもおすすめですよ」。とのことなので、つゆにつけずうどんだけで一口。ほのかな塩味、そして後からかすかに甘みが感じられます。
「讃岐うどんは噛まずにノド越しを楽しむと言いますが、武蔵野うどんは”噛んで、歯ごたえと小麦粉の旨みを楽しむ”うどんなんですよ」と女将。確かに。この強いコシと太さは、一気に飲み込もうとしても無理。しっかり噛んで味わわねば!

「うどんは茨城にある自家製麺所で粉から生地を作っています。足踏みによる圧延を3~4回繰り返すことで麺に層を作り熟成させ、歯ごたえと味を追求しているんですよ」。店頭にはうどんを打つスペースがあり、店内で打って茹でて水でしめて提供。
つゆは厳選した数種類のかつおぶしをブレンドし、1番だしと生がえしを独自の割合で合わせたものを、一昼夜寝かせたもの。つゆの中にはピリ辛つくねとネギ、油揚げが入っています。醤油がしっかり効いたつゆは、食べ進めるうちに、ピリ辛つくねの中の辛味が溶け出し、まろやかな中にもシャキッと、ピリッとした美味しさに進化していきます。

1kgボリュームのうどんは、多い時は週に10食ぐらい出ているとのこと。「完食する人は、あまり噛んでいないですね。飲んでいるようなペース。今までに2~3kg食べた人もいるんですよ」とのこと。このコシと太さを飲むように食べるとは。喉というか食道、太いのかなぁ。うどんをすする吸引力もすごそう。
飲むように食べることはできないので、1本ずつすすってモチモチ噛んで食べ進めます。アゴがだんだん疲れてくる~。でも常に美味しいものが口の中いっぱいにある状態。つくねもしっかりとした旨みと程よい辛さで食欲をアップさせます。油揚げにもつゆがしみてジュワッとうまい。シンプルなのに絶妙なバランスです。

ちなみに、煮込みうどんには、赤みそ煮込みうどん、白みそ煮込みうどん、激辛(赤・白みそ)煮込みうどん、野菜たっぷり白みそ煮込みうどんなどがあり、暑い日にも関わらず注文するお客さんも。暑い日だからこそ煮込みうどん! という人もいるんだろうなぁ。夏場、クーラーで芯まで冷えた体には、グラグラ煮立った煮込みうどんはいいのかも。
粉、太さにこだわったコシの強い自家製麺に、キリッと旨みの効いたつゆ。そして癖になる食べ応え。持ち帰り用うどんも販売しているので、家で楽しむのもおすすめです。各席にはパーテーションが置かれているなど配慮も行き届いた『武蔵野うどん うちたて家』。次回は肉汁うどん&トッピングのしょうが+30円で食べに来ます!
(取材・文◎石澤理香子)
●SHOP INFO

店名:武蔵野うどん うちたて家
住:東京都豊島区南池袋3-13-17
TEL:03-3980-3361
営:11:00~21:00
休:なし